- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県横手市
- 広報紙名 : 市報よこて 令和7年11月号
お医者さんが今伝えたいまめ知識
すずき皮膚科クリニック
鈴木長男医師
■保湿剤とステロイド外用剤の使用について
暑かった夏も終わり、気温も徐々に低下してくると、肌がカサつく方もおられるのではないでしょうか?
肌が乾燥するだけで痒(かゆ)くなるのですが、湿疹(しっしん)になると何を塗ればいいのか気になるところですね。乳幼児と成人では、違うところもあるので注意が必要です。年齢問わず、保湿機能が良い肌(ツルツルもちもちの肌)の人には、必ずしも保湿剤は必要ありません。しかし、そうでない(カサつきやすい肌の)場合は、年齢による考慮が必要です。保湿機能が弱い乳幼児は、保湿しないとアトピー性皮膚炎になりやすくなるというデータがあります。また、湿疹のある乳幼児の肌に食べ物が付くと、触れた食べ物のアレルギーになるというのは『経皮(けいひ)感作』と言われ、現在アレルギーの診療をする医療者には、常識となっています。
そのため、乾燥肌や湿疹を治すのは大事なことです。簡単に言うと、乾燥肌なら保湿剤だけでいいのですが、湿疹になったら、ステロイド外用剤(以下『ス剤』)でないとなかなか困難です。もちろん最近は、ス剤同様の効果をもたらす外用剤も出てきたものの、それらは高価であることや、使ったときの効果の予測のしやすさから、ス剤は依然として外用の中心であることは論を待たないところです。また、ス剤は市販薬もありますが、使い方は皮膚科医でも神経を使うものです。アトピー性皮膚炎ではない場合も、湿疹の治療はス剤の副作用を出さず有効な使用効果をもたらすために、医師に診てもらうことをお勧めします。
横手市医師会HP
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