くらし 新春知事対談 世界がやまがたを“発見”!(2)

■やまがたの魅力・強み
司会:世界からのお客さんを呼び込むために、山形にどんな魅力があるのか、再認識していく必要があります。世界に知ってもらいたい山形の強み、魅力についてお願いします。
知事:冬の蔵王や銀山温泉は外国人旅行者に大変人気です。しかし、山形にはそれ以外にも多くの魅力があります。
まず出羽三山は、東日本随一の精神文化を擁し、その歴史は約1400年に及びます。江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」と称され、山岳信仰の聖地として古来より崇められてきました。他にも山寺や慈恩寺、出羽百観音といった古刹や即身仏、草木塔など、それぞれの地域で受け継がれてきた精神文化があります。
また、日本4大舞楽の一つに数えられる林家舞楽や、約270年の歴史を持つ新庄まつりなど、伝統やお祭りが現代に受け継がれています。こうした歴史ある文化は世界に誇るべき宝です。
豊かな自然環境も強みです。蔵王や月山などの秀麗な山々、日本一の数を誇る滝、そして県内35市町村すべてに温泉が湧く温泉王国でもあります。
また、さくらんぼをはじめとしたさまざまな果物、つや姫や雪若丸といった農産物、酒蔵が48、ワイナリーは22あり、お酒もワインもジーアイ(注釈)を取得しています。ほかにも最高級ブランドの米沢牛や高品質な銘柄豚、庄内浜で揚がる季節の魚介、山菜やきのこなど多様な食の宝庫です。
芋煮やだし、玉こんにゃくといった郷土料理に加えて、名店がひしめく「ラーメン県そば王国」でもあります。山形は、本当に素晴らしいものがたくさんあります。
アレックス:欧米の旅行者は、異文化に触れ、その国の人々の暮らしを知ることを目的に海外へ旅をします。その点からすると、山形の魅力は、「地元らしさ」です。
東京や京都、大阪は、観光客向けに作られたテーマパークのようです。一方、山形は観光客向けではない、本物の暮らしが残り、本当の日本を感じられる場所です。
私のお客さんで一番人気の文化体験は「ぞうり作り体験」です。地元の方と一緒にぞうりを作り、交流し、自分が作ったぞうりを家に持ち帰る。これは山形ならではの体験です。
郭:山形の春や秋の山々の景色がすごくきれいで大好きです。山の上に雪が積もっている様子を見ると心が落ち着きます。
また、山形は台湾と同様、季節ごとに楽しめる果物が多く、私にとってはすごく嬉しいです。特にさくらんぼは、甘いものや甘酸っぱいものなど、品種が豊富で、本当に楽しめます。機会があれば、多くの台湾の方に、いろいろなさくらんぼの味を味わってもらいたいです。

■世界に向けた発信
司会:昨年10月にアメリカの有力旅行メディアが選ぶ「2026年に行くべき世界の旅行先25選」に、国内から唯一山形県が選ばれました。まさに「世界がやまがたを発見した」という状況です。今後、世界に向けた発信にどのように取り組んでいきたいですか。
知事:山形県が国内で唯一選ばれたことは本当に喜ばしいことで、誇らしく思います。東京から300キロほどの距離にも関わらず、別世界のような静けさを保ち、古くからの伝統と神秘的なアウトドア体験が評価されたと聞いています。これは県民の皆さんが先人から受け継いだ雄大な自然や伝統文化の継承に、日々ご尽力されてきた賜物です。
これらの観光資源を生かし、山形でしか味わえない本物の体験を提供する観光コンテンツの造成や蔵王・銀山に続く新たな核となる観光地づくりに取り組んでいきます。
アレックス:現状、日本語が話せないと、山形を旅行するのは難しい状況です。県内には、素晴らしい体験がたくさんあるのに、多言語対応が不足しているため、体験ができないケースがあります。そこで、山形と海外をつなぐ架け橋としてインバウンド向け観光サイト「エクスペディションジャパン」を立ち上げました。
海外の方の日本のイメージは、力士、侍、忍者などです。しかし、それは日本のほんの一部にすぎません。サイトに載せる写真などで、いろいろな日本の姿を世界に伝えたいです。
郭:私は山形で生活し始めて約3年になります。私ももっとディープに地域の文化や温かさを体感できる旅ができると良いと思っています。上山は落ち着いた町であり、本当にいい温泉もあります。海外の方にもぜひ、ゆっくりと泊まっていただきたいと思います。
情報発信の観点では、多言語での情報発信が重要です。私たちも正しい言葉で、正しい情報を皆さんに伝えられるようにしたいと考えています。SNSでの情報発信など、今後も引き続き努力をしていきたいです。