- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県
- 広報紙名 : 県民のあゆみ 令和8年1月号
■旺盛なインバウンド需要を取り込む
外国人旅行者が過去最多となる中、海外の活力を取り込んでいくことは、本県の未来のために必要不可欠です。
年間を通して県内のさまざまな場所を訪れてもらうために、どんなことが必要か熱く語ります。
○上山市観光物産協会
郭 わん筑(カクワンズー)さん
台湾・台中市出身。2019年に来日し、2025年より上山市観光物産協会で勤務。観光案内所で日本人・外国人観光客に対応し、特に台湾からの来訪者に向けたインバウンド業務を担っている。
○山形県知事
吉村 美栄子
○山新観光営業部インバウンドコーディネーター
リッツ・アレクサンダーさん
アメリカ・コロラド州出身。羽黒高校で3年間学び、2022年より山新観光に入社。インバウンド事業「エクスペディションジャパン」を立ち上げ、山形・東北の文化体験を世界へ発信。旅の企画・ガイドも担当する。
■昨年を振り返って
知事:県民の皆さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
司会:昨年もさまざまな出来事がありましたが、振り返ってどんな1年でしたか。
知事:昨年、力を入れて取り組んだのは「やまがたフルーツ150周年」です。山形県でさくらんぼや西洋なしなどの栽培が始まってから150年という記念すべき年で、県内でのイベント開催や全国に向けて、山形県のフルーツの魅力を発信しました。
一方、7月の記録的な高温と少雨が農作物に大きな影響をもたらし、さらにクマによる人身被害の多発もあり県民生活への影響が一層深刻化しました。
そして、人口減少社会を象徴する出来事として、5月に本県人口が約100年ぶりに100万人を下回りました。今後もしばらく人口減少が続くと見込まれるため、海外の活力を取り込むことは、山形県の未来にとって大変重要だと考えています。そうしたことから、昨年もハワイや台湾へのトップセールスやモンゴル訪問などを行ったところです。
■インバウンドを取り巻く状況
司会:「人口減少の中、海外の活力を取り込むことは山形県の未来にとって重要」というお話がありました。知事は、インバウンドに関する県内の状況をどのように捉えていますか。
知事:令和7年に日本を訪れた外国人旅行者は通年で過去最多となる見込みであり、本県でも同様に増加しています。直近の令和6年における本県の外国人旅行者の受け入れ実績は延べ約62万人で、令和5年に引き続き2年連続で過去最多を記録しました。国・地域別では、台湾からの旅行者が一番多く、延べ約34万人となっています。
本県では、外国人旅行者の訪問が特定の季節や場所に偏っていることが課題です。年間を通して県内各地に訪れていただけるようPRに努めていきたいと思います。
司会:台湾からの観光客が一番多いということですが、郭さんはどんな印象を持っていますか。
郭:上山市では、海外からのお客さんの約6割が台湾の方です。夏から秋にかけては、蔵王の「お釜」を見に来るお客さんが多く、上山からのシャトルバスはアクセスが良いため、多くの方にご利用いただいています。台湾は雪が降らないので、雪の景色が楽しめるのも魅力になっているようです。私の母国から多くのお客さんが来ていただき、嬉しく思っています。
司会:アレックスさんは海外からの観光客が増えているという実感はありますか。
アレックス:10年前に出羽三山や銀山温泉では外国人旅行者はほとんど見かけませんでした。最近ではよく見かけるようになり、増えていると感じます。
日本政府観光局によると、山形県の令和6年の外国人延べ宿泊者数は約21万人泊で、前年比56パーセントの増加でした。アジア系の旅行者が多く、欧米からは、全体の約13パーセントに留まっており、全国平均の28パーセントと比べて低い割合です。
この理由の一つはアクセス性の不足だと考えています。アクセス性は、交通面だけでなく、言語対応も含みます。山形市にある文翔館などで多言語での解説が増えれば、建物を見て回るだけでなく、その面白い歴史や文化をより深く理解していただけると思います。
