- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県朝日町
- 広報紙名 : 広報あさひまち 令和7年9月号
■8年ぶりの開催
春日神社(八ツ沼)の祭礼が8月15日に行われ、旧暦の閏(うるう)年にのみ披露される大名行列がお目見えしました。新型コロナウイルスの流行などが重なったことで、今回の披露は8年ぶりとなります。
■約60人が練り歩く
大名行列は午前8時30分に春日神社を出発。氏子総代や天狗(てんぐ)、武具(槍(やり)、弓矢、鉄砲)を持った方々などのほか、お囃子に合わせて舞う大獅子や同区の民俗芸能の一つ〝奴振(やっこふ)り〟を披露する奴など約60人が区内を練り歩きました。
今回初めて大名行列に参列した方は「役割ごとに所作が違い、いずれも長い歴史の中で伝承され続けていることを実感した。次回もぜひ参加したい」と振り返っていました。
■200年以上続く伝統行事
さまざまま役職に扮し、連なり歩く大名行列。その歴史は古く、今から200年以上前に始まったと伝えられています。
江戸時代中期の寛政年間(1789~1800年)、左沢「百目木」地区の河原の領地をめぐって左沢町(庄内松山藩左沢領)と中郷村(幕府領柴橋代官所管轄)との争いが起こっていました。
この頃の朝日町域は、大谷・大暮山・大沼を除いて庄内松山藩の飛び地。この争いを聞いた、夏草村(現在の夏草区)の佐竹文右ェ門は春日神社に願をかけた後、江戸幕府に「百目木の河原は左沢の領分である」と訴訟し見事勝訴しました。
その後、左沢の領主が文右ェ門に褒美を与えようとしましたが「このたびの問題解決は春日神社のご加護のおかげ。神社に大名行列を奉納する許可がほしい」と願い出ます。そして寛政11年(1799年)、その願いが許され、現在に続く伝統行事の大名行列が始まったのです。