- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県金山町
- 広報紙名 : 広報かねやま No.748 2025年4月号
■笑顔の好循環
教育長 須藤 信一
新年度が始まりました。子どもたちは、新たな学校や学年の始まりを迎え、希望に胸を膨らませていることでしょう。そんなとき、親として心に留めておきたいことがあります。「人間の最大の罪は不機嫌である」文豪ゲーテの言葉です。晴れやかな気持ちでスタートしようとした朝、親から小言を言われたとしたら、その日は不機嫌な状態から始まります。不機嫌は伝播し、友達をも不機嫌にさせてしまいます。先生に注意を受けるかもしれません。そんな一日を過ごして帰宅したら、また、親からしかられるかもしれません。新年度の始まりは、大人にとっても忙しいものです。心に余裕がないと、ついつい小言を言ってしまいがちです。一方、笑顔で家庭の朝のスタートが切れたら、学校でも笑顔の好循環が生まれることが期待できます。ゲーテの言葉に対して、「人間の最大の功は笑顔である」と言えるかもしれません。では、不機嫌の連鎖を断ち切るにはどうしたらいいのでしょうか。朝ドラ「おむすび」の主人公「結」の対応から学びたいと思います。気難しい患者たちに苦労しながらも、なぜそんなことを言うのか、なぜそんな態度をとるのか、相手の立場に立って考えることで、解決の糸口を見つけていきます。相手の心の状態に思いを寄せることで、見えてくるものがいろいろとありそうです。私が校長時代に毎朝やっていたのが、タッチあいさつ。子どもたちの様子を見ながら、手と手を合わせて声を掛けました。気になる子がいたら、後で担任に伝えました。元気いっぱいの笑顔で登校してくる子どもたちを見ていると、こちらまで笑顔になり、エネルギーをもらえました。笑顔の好循環が、家庭に、校内に、町中に広がっていくことを願います。