健康 町立金山診療所だより ほっとクリニックvol.199

山形県立河北病院 内科 久米井 智(くめい とも)先生

■秋の健康づくりと検診のすすめ
金山町のみなさん、こんにちは。山形県立河北病院に勤務している久米井智と申します。月に2回、金山診療所で胃カメラの検査を担当しております。今回は、「秋の健康づくりと検診のすすめ」についてお話しさせていただきます。朝晩が冷え込む季節になり、この時期は夏の疲れも影響し、自律神経のバランスが乱れやすい時期です。食欲不振や胃もたれ、便秘や下痢など、消化器の不調を感じる方も多いのではないでしょうか。こうした症状は一時的なものに思えるかもしれませんが、時に重大な病気のサインであることもあります。
特に注意したいのは、胃がんや大腸がん、肝臓・すい臓の疾患です。これらの病気は、初期にはほとんど症状が出ないため、気づいたときには進行していることもあります。そのため、定期的な検診を受けることがとても重要です。胃がん検診ではバリウム検査や内視鏡検査、大腸がん検診では便潜血検(べんせんけつけんさ)などが行われます。40歳を過ぎたら、年に一度は消化器の検診を受けることをおすすめします。早期発見・早期治療ができれば、治る可能性はぐんと高まります。
生活習慣の改善も非常に重要です。秋は「食欲の秋」とも言われます。旬の野菜や果物、きのこ類、魚など、栄養豊富な食材が多く出回る時期です。バランスの良い食事を心がけましょう。脂肪や刺激物(辛いもの、アルコール、コーヒーなど)の摂取を控え、規則正しい食事時間を守ることが大切です。また、適度な運動や十分な睡眠も健康維持に役立ちます。喫煙は胃粘膜を傷つけ、胃潰瘍(いかいよう)やがんのリスクを高めるため、禁煙を推奨します。また、ストレス管理も欠かせません。過度なストレスは胃腸の調子を崩す原因となります。リラックスできる時間を持ち、趣味や運動を取り入れることもおすすめします。
これから寒さが一段と厳しくなりますので、体調管理にも気を配りましょう。日々の体調の変化に気を配り、予防のための検診を習慣にすることで、健康な毎日を送ることができます。これを機会に、ぜひ検診をご検討ください。