くらし ~カーボンゼロを目指して~ なぜ今脱炭素(ゼロカーボン) 第10回

今月から飯豊町地球温暖化実行計画の4つの柱「知る・学ぶ」「減らす」「創る」「森を守る」から「創る」について説明します。

◆エネルギーを創るということ
脱炭素実行の取り組みとして、地域で消費するエネルギーを従来の化石燃料などではなく、その地域に豊富にある資源を生かした再生可能エネルギーの利用へ移行する「エネルギーの地産地消」が注目を集めています。今回は町が考える「エネルギーの地産地消」、エネルギーを創る3つの柱について説明します。

(1)太陽光発電
太陽光発電は、初期投資の負担なく設置できるPPA方式(※1)なども登場し、再エネ電源で最も導入しやすい電源です。太陽光発電の電力を自家消費することで光熱費の削減に効果が期待できます。さらに、家庭用蓄電池があれば災害時や停電などの非常事態に備えることが可能となります。

(2)水力発電
町には、最上川の源流「置賜白川」に代表される大小さまざまな河川があり、水力発電は、太陽光発電に次ぐエネルギーとなる可能性があります。水力発電は昼夜を問わず安定的な発電が期待できることから、「エネルギーの地産地消」を考える上で重要なベースロード電源(※2)といわれています。

(3)バイオガス発電
バイオガスとは、生ごみや家畜のふん尿などの生物由来の燃料ガスです。主に微生物の力(メタン発酵)により発生するガスで、メタンを主成分としているため燃えやすく、ボイラーやガスタービン、ガスエンジンなどに活用されています。
バイオガスを導入するメリットは、本来廃棄する生ごみや家畜のふん尿などをエネルギー資源として活用できることです。バイオガスを導入すると廃棄物を有効活用できるため、環境への負担を減らしてコスト削減の可能性にも繋がります。また、バイオガスの発酵残渣さは、農地での肥料として活用可能なため、循環型社会の形成が可能です。

◆環境に優しく脱炭素の実現に貢献できる
エネルギーの地産地消は、脱炭素実現に貢献できるメリットがあります。日本では2050年までにカーボンニュートラル実現を目指しています。カーボンニュートラルとは、排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする意味です。
次号では町の具体的なエネルギーの地産地消施策について説明します。

(※1)太陽光発電のシステムを所有している企業(発電業者)と電力を必要とする企業(購入業者)との間で、一定期間にわたって電力の供給と買取を合意するもの
(※2)コストが安く、昼夜を問わず安定的に発電できる電力(源原子力や石炭火力、水力、地熱発電など)のこと

◇農畜連携を基軸とした飯豊町エネルギー地産地消モデル

問合せ先:役場住民課生活環境室
【電話】87-0514