しごと KORIYAMA Dreamer 夢に向かう郡山人 vol.88

■安齋 由香理さん Anzai Yukari
外来カミキリムシの一種を国内で初めて確認し、その生態調査と環境被害防止に取り組む安齋さん。活動への思いを伺いました。

○外来カミキリムシを見つける“目”を増やし、暮らしを守りたい
2021年7月、樹木医として市内の街路樹点検をしていたら、見たことのない錆(さび)色のカミキリムシを見つけました。調べたら国内初確認の外来種だと分かり、和名を「サビイロクワカミキリ」と提唱しました。このカミキリムシは生木を食べ、樹木の枯れや倒木などを引き起こすので、後に樹木や生態系などへ悪影響を与える特定外来生物にも指定されました。こうした外来カミキリの国内拡大を防止するため、2年前に「外来カミキリバスターズ」を立ち上げ、昨年には「(一社)外来カミキリ対策室」として法人化しました。
対策室では、被害樹の調査・処分、伐採イベントや外来カミキリの採集会などを行うほか、外来カミキリの認知度を上げるための広報にも力を入れています。サビイロクワカミキリは主に造林地や民家に多いイヌエンジュという樹木に寄生し、県内でも20市町村で見つかっていますが、まだまだ存在を知られていません。土地の所有者に調査や伐採の協力をお願いしても、初めは怪訝(けげん)な顔をされることがほとんど。丁寧に説明して理解を得られた時は、毎回ほっとします。今は、伐木を食器などに加工して再利用するプロジェクトも進めています。伐木を無駄にしないことで、少しでも前向きに活動を受け入れてもらえたらうれしいですね。
外来カミキリムシは確認当時は話題になりましたが、今も私たちの身近にいることを忘れないでほしいです。見つける“目”が増えれば、それだけ防除につながります。私たちの暮らしを守るためにも、みなさんの力を借りながら、今後も外来カミキリに立ち向かっていきたいです。