- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県田村市
- 広報紙名 : たむら市政だより 令和7年12月号
■ハナ・クレイマーさん
アメリカ合衆国・イリノイ州出身
(田村市に来て1年目)
◇「クリスマス」と「ハヌカ」と共に育つ
私は多文化家庭で育ちました。父方の家族はユダヤ教徒で、母方の家族はカトリック教徒です。しかし、両親はそれぞれの信徒として育てられたにも関わらず、二人とも積極的に宗教を実践していませんでした。文化は受け継がれましたが、それに伴う信仰はそうではありませんでした。この二つの文化の中で育ったことについて、少しお伝えできればと思います。
父方の家族とは毎年冬に「ハヌカ」のために集まりました。ハヌカは、本来一晩しか持たないはずの油が、八晩も燃え続けたという奇跡を祝うユダヤ教の祭りです。
この奇跡をしのんで、祭りは八夜続き、毎晩「メノーラ―」(七本枝の燭台(しょくだい))にろうそくがともされます。わが家では、ハヌカの夜に親戚の家を訪れ、食事を共にしたり、ゲームをしたりしてお祝いすることにしています。
母方の家族とはクリスマスを祝います。クリスマスの本来の目的は、イエス・キリストの誕生を祝うことですが、キリスト教徒ではない人もクリスマスを祝います(アメリカ文化にも深く根付いているため)。子どもの頃は、サンタクロースのためにクッキーを置いておき、お互いにプレゼントを贈り合うことで祝いました。
大学に入って初めて、クリスマスを本当の意味で祝うようになりました。宗教的な観点からは、今でもユダヤ教のルーツに強い文化的愛着を感じていますが、今は自分がクリスチャンだと思っています。子どもの頃にさまざまな宗教に触れられたことにとても感謝しています。そのおかげで、自分の信仰についてじっくり考える機会を得られました。このホリデーシーズンは、祝う祝日の真の意味について、じっくり考えてみませんか。
