- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県双葉町
- 広報紙名 : 広報ふたば 2025年1月 災害版 No.164
旧町立図書館から西へ少し離れた位置に、岩東マスを顕彰した石碑が立っています。戦前の双葉町において、女子教育を担った修齊女学校の創立者です。
修齊女学校の起源は、大正2年(1913)までさかのぼります。当初はマスの手による私塾で、裁縫科の教授を主としていました。大正6年(1917)、マスの私塾は福島にあった私立修齊女学校の長塚分校となり、大正11年(1922)には独立して雙葉修齊女学校となりました。
修齊女学校では、どのような教育が行われていたのでしょうか。岩東家より寄贈された昭和11年(1936)の修齊女学校の卒業アルバムを見ると、裁縫(手芸)の他、茶の湯、生け花、作法、料理などの授業が行われていたことがわかります。また、運動会や、成績品(生徒の手による作品)の発表なども行われていたようです。
ここで注目したいのが、瓶細工と呼ばれる手芸作品です。瓶細工とは、丸い瓶の中に、瓶の口よりも大きな作品を作るものです。手芸は当時の女子教育の中でも重要な地位を占めており、修齊女学校では、マスの指導の元、生徒たちにもこれを作らせていました。岩東家より寄贈された資料の中にも、マスあるいは修齊女学校の卒業生が作ったと思われる瓶細工があります。写真のものは昭和39年(1964)に石碑の除幕式を行った際に作成されたもので、おそらくは、卒業生からマスに送られたものではないかと思われます。卒業生にとっても、瓶細工は学校の思い出として、印象深いものだったのではないでしょうか。
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