- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県笠間市
- 広報紙名 : 広報かさま 令和7年6月号
■こころとからだのととのえかた
こども政策課臨床心理士・公認心理師 亀田真澄(かめだますみ)
心理士は、こころの健康や自分を大事にすることを一緒に考えることが得意で、笠間市では、こどもの発達や学校生活、子育ての悩みや困りごとを支援しています。
▽ほどほどのススメ
長雨を迎えるこの時期は、新年度の生活に慣れ、気づかぬうちにエネルギーを使い、疲れがたまる時期です。こころとからだを健やかにする「ほどほど」についてお話しします。
からだの「ほどほど」は、腹八分目の食事、少し息が上がり汗をかく程度の運動など、イメージしやすいですね。
では、こころの“ほどよい状態〟はどのようなものでしょう。
目に見えないこころをさまざまな方法で考え、こころの健康(裏返せば病むこと)を考えるのが臨床心理学という学問です。こころの「ほどほど」は、さまざまな切り口があり、いずれも、「やり過ぎないこと」「完璧を求めないこと」を「OK」とすることで、良い効果が生まれるというものです。
今回は、ほどほどの子育て「25%ルール*」というコツを紹介します。
まずは、こどもに「お皿をさげて」とお願いをする場面を想像してください。
そして、こどもに期待する「お皿を下げて」の完了図(100%)を思い浮かべます。例えば、個人の食具を台所に片付ける、それとも、お皿を全て下げる、はたまた、お皿洗いをする。いろいろなレベルがありますね。
それでは、期待する行動を25%レベルに落としてみましょう。例えば、お皿を持って椅子から立ち上がる。すぐに「ありがとう」「たすかるわ」と前向きな声をかけます。
「25%の達成度で認める」というルールは、相手のやる気を引き出し、良い関係性を構築する、というねらいがあります。
▽ほどほどの作り方
このルールは「ほどほど」を考える時にも役立ちます。理想の100%手前でゴールを設定し、「そういう時もあるよね」「明日のために余力を残そう」と自分で自分にOKをだしてあげましょう。ふとした時に、自分や他人に求めていることが、トゥーマッチ(過多)だな、と気づけたら、それが「ほどほど」の入り口です。灼熱の夏を前に、こころもからだもセーブしてエネルギーを蓄える1か月にしましょう。
*参考文献…上林靖子(監)北道子他(編)(2009)
こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル.中央法規出版株式会社.
問合せ:こども政策課
【電話】0296-78-3155