健康 【特集】あなたの未来を変えるかも…「受けていますか? 健康診断」1

忙しい毎日の中で、つい後回しになりがちな「健康診断」。ご自身の体の状態を知ることは、健康な未来への第一歩です。
特に、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、初期には自覚症状がほとんどなく、知らず知らずのうちに進行してしまうことも。
今回の特集では、健診と、がんなどの特定の病気を見つけるための「検診」と合わせて、その重要性をご紹介します。

■低い水準の受診率
特定健康診査とは、40歳~74歳の国民健康保険、健康保険組合、共済組合などの加入者を対象に行われる健診です。特定健康診査の受診率(令和4年度)は、全国平均では58・1%。増加傾向にあるとはいえ、残念ながら高いとは言えない状況です。
守谷市国保の令和5年度受診率は48・6%。特に40代~50代の受診率が約30%と低くなっています。この世代は仕事や家庭の都合で受診する時間を確保しにくいほか、特に自覚症状がないため、健康への自信から、必要性を感じにくいことも原因として考えられます。

○R5年度特定健康診査年齢別受診者・率(男性)

○R5年度特定健康診査年齢別受診者・率(女性)

まずは健診を受けることが、健康な未来への第一歩です!

■健診ではどんなことをするの?
・問診…自覚症状や生活習慣の問診
・身体測定…身長、体重、BMI、腹囲など
・尿検査…尿蛋白、尿糖
・血液検査…血糖、脂質、肝機能、腎機能、貧血など
・心電図検査…心臓の電気的な活動

■そのほか特定の病気を発見する検診の種類
・がん検診
肺がん・胃がん・大腸がん検診
男性のみ:前立腺がん検診
女性のみ:子宮頸がん・乳がん検診
・肝炎ウイルス検診など

■〈Interview〉なぜ健康診断を受けるのか
守谷慶友病院で人間ドック、健康診断を専門に担当する石塚医師に、健診について伺いました。

○なぜ定期的な健診が必要なの?
一般的に、日本人はもともと胃がんが多いと言われてきました。しかしながら、胃カメラが発達し、早期に発見できるようになったことで、亡くなる人が少なくなり、胃を切除する手術をしなくても対処できるようになりました。早く見つかることで体に対する負担が減り、病後のQOL※も保たれるようになりました。
このことからもわかるように、早いうちに病気を見つけることができれば、治療後の生活に与える影響が限りなく小さくて済むのです。もちろん、治療期間が短く済めば、経済的負担も少なくなります。健診を受けることが大切ということですね。
※QOL…クオリティ・オブ・ライフの略で、「生活の質」のこと。

守谷市の胃がん検診は、バリウム検査を実施しています。要精密検査となった場合は、胃カメラの検査を必ず受けるようにしてください。

○検診を受けないリスクはある?
自覚症状が出た段階では治療が難しく、「あと2年、1年早く受診してくれれば…」と思うこともあります。

○年齢・性別により推奨される検診はある?
がん検診は、特に40代以上の方は必ず受けたほうがいいですね。肺がん、胃がん、大腸がん検診のほか、女性であれば子宮頸がんや乳がんの検診も受けることを勧めます。

○健診の結果が出たあとは?
結果は、その経過を見ることが大切です。病気は進んでいくものなので、今がどの時点のデータか、ここから値がどうなるのかを見ていくこと。例えば、血糖値やヘモグロビンA1cが通常値よりも相当大きかったら、すぐ治療すべきということになりますが、通常値よりも少し高いくらいであれば、対処次第でどのようにも変わっていきます。結果を見ておしまいということではなく、そのあとの経過を追い、生活を改善したり、適切な医療につなげるようにください。

○健診は痛かったりする?
「採血が痛くて嫌だ!」と言われてしまったら何もできませんが、ドックや検診など、検査の段階ではなるべく苦痛を少なく、負担を少なくするようにしています。しかし、治療の段階では苦痛を伴う方法が必要な場合もあります。ですので、早く見つけることが大切ということになってくるんですね。

○健康維持のために、日常生活で心がけるべきことは?
食生活はもちろん大切ですし、タバコはすべてのがんの原因に、過度な飲酒は消化器系のがんにつながります。
そして、ストレスをためないこと。笑うことがいいとも言われていますね。
最後に、運動です。走ったり歩いたりすることで、体に圧力がかかって骨が丈夫になり、足の裏で地面を感じることにより、知らないうちに脳にも刺激がいっているんです。私も1日1万歩は歩くようにしています。

○ほかに先生ご自身も健康のために心がけていることは?
食生活では、野菜を多くとるようにしています。私は東京からこちらのほうに転居しましたが、野菜が新鮮でおいしく、公園も多くて、とても住みやすいですね。守谷には長生きできる環境があると思いますので、無駄にしないよう健診も受けてくださいね。

守谷慶友病院 人間ドック・健診センター長
石塚裕昭(いしづかひろあき)氏
「人生の限られた時間で、自分のやりたいことをやるために、健診を受けて、健康を維持しましょう!」

■市民公開講座「のどと耳から始める100歳までの元気づくり」
その悩み、来て・見て・納得
日時:7月12日(土)
・第1部…14:00~14:50「のどを鍛えて肺炎を予防しましょう」
・第2部…15:00~15:50「難聴の早期発見・治療により認知症を予防」
場所:もりりん中央 ホール
講師:つくば難聴めまいセンター長 守谷慶友病院耳鼻咽喉科 山中昇(やまなかのぼる)氏
定員:395人
※当日先着
参加費:無料

問合先:守谷慶友病院
【電話】45-3316