くらし なめがた大使小林光恵さん書きおろしエッセイ 五感でキャッチ!なめがた漫遊記第19回

■行方に地底世界への入り口があった?!
行きつけの美容室の二十代後半と思しき美容師さん~彼におススメのテレビドラマやラジオ番組の話を聞くのが楽しみ~は、最近YouTube内の都市伝説を語るチャンネルを毎日見ているそうで、その中で見た《地底都市の存在》がテーマの回をオモシロ例として熱く解説してくれた。
実は私、地底都市や地底人話が大好物なのだ。映画の影響もあってか、三十代くらいまでは、地球人にとって恐怖の存在で警戒しなければならない世界としてイメージすることが多かったが、なぜか五十代以降は、地底には平和的な非常に知的な生命体が存在する様子を思い浮かべるようになった。
そしてこのたびイメージしたのは、次のような地底世界への旅だ。
道の駅たまつくり側の霞ヶ浦大橋のたもとのアーチ状になった通路そばに、地底世界に通じるエレベーターの入り口がある。そこは、行方の地の奥深くに広がる行方地底に生きる行方地底人のみが目視でき、出入りすることもできるのだ。霞ケ浦の水面がやけにキラキラと光る午後、さつまいもと鯉の煮付けを買って道の駅たまつくりのデッキに出てきた私は、大橋のたもと付近がもわっと不思議な感じに明るいのに気づき、吸い込まれるようにそこへ向かう。そこへ到着した途端、小石につまずき転倒すると同時に、買い物したものが四方に転げ、気づけば私は地底行きエレベーターに乗っていた。
その地底世界は、水晶でできた太陽を光源とし、地熱エネルギーを利用しながら、漫画『ぼのぼの』(※)のキャラクターそっくりの生命体らが存在していた。私が落とした物を拾って渡してくれたので、その半分をプレゼントすると、彼らは鯉と芋をおいしそうに食べていた。
皆さんは、行方市内のどこが地底世界に通じていそうだと思いますか?
※いがらしみきおによる日本の四コマ漫画。「ぼのぼの」というラッコをはじめとして、アライグマくん、シマリスくんなど登場人物はすべて動物で、不条理ギャグと哲学とほのぼのが融合した作品。

■小林光恵さん
行方市出身。つくば市二の宮在住。昨年、市内で開催された「なめがた伝説~浦に潜む巨大生物を退治せよ!」という謎解きアドベンチャーが盛況だったと聞きました。参加した方たちに親近感を覚えます。
市公式ホームページ内で「行方帰省メシ」連載中。