くらし 映画やドラマの舞台ができるまで—フィルムコミッションの役割—
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- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県行方市
- 広報紙名 : 市報なめがた No.240(令和7年8月号)
フィルムコミッションは、映画やドラマなどの映像制作を支援するために地域が設置する窓口。ロケ地提供やスタッフ調整など、制作活動をスムーズに進める役割を果たします。
■フィルムコミッションとは?
フィルムコミッション=Film Commission(以下、FCという)とは、地域活性化を目的として、映像作品のロケーション撮影が円滑に行われるための支援を行う公的団体です。本市は、平成30(2018)年3月に「行方市フィルムコミッション」を設立しました。
■行方市がロケ地として選ばれる理由
本市は、都心からのアクセスの良さや柔軟なロケ支援体制などから、ロケ地として注目を集めています。
1.多様なロケーションと柔軟な対応
学校跡地、病院、自然豊かな景観など、さまざまな撮影に対応できる施設や環境が整っており、学校跡地を活用してのオープンセット撮影が行われたこともあります。幅広いジャンルの作品に対応できる自由度の高さと適応力が、撮影スタッフにとっても魅力となっています。
2.地元の“おもてなし”と協力体制
地元ボランティアによる撮影協力のほか、地元消防団による防火活動、市内生産者、飲食店、市食生活改善推進員等による差し入れや炊き出しなど、地域ぐるみの撮影支援が行われています。期間中は、撮影スタッフとの親睦・交流が図られるなど、交流人口・関係人口の創出、シビックプライド(地域への誇りや愛着)の醸成や地域活性化にもつながっています。
本市の官民連携によるFCの取り組みは、業界からも高く評価され、ロケツーリズム協議会主催の「第15回ロケーションジャパン大賞」では「撮影サポート部門賞」を受賞するなど、市内外での評価や認知度も飛躍的に向上しています(令和7年4月号参照)。
今後も、撮影サポート体制の充実と地域ネットワークのさらなる強化に努め、市民の皆さんと一緒にFC活動に取り組んでいきます。
■Namegata City Film Commission
◆土浦協同病院なめがた地域医療センター
鉄筋コンクリート造5階建ての医療施設です。セットでは再現が難しい、本物の病院ならではの臨場感のある撮影が可能です。
□撮影作品
・映画
「春に散る」令和5(2023)年8月公開
「劇場版ドクターX FINAL」令和6(2024)12月公開ほか
・ドラマ
「転職の魔王様」令和5(2023)年7月放送
「アンメットある脳外科医の日記」令和6(2024)年4月放送
「秘密~THETOPSECRET~」令和7(2025)年1月放送ほか
◆旧北浦三育中学校
閉校した全寮制中学校の跡地です。敷地内には校舎、体育館のほか、教会(チャペル)などもあります。
体育館や校庭を使ってのセット撮影も可能です。
□撮影作品
・映画
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」令和5(2023)年12月公開
「映画『ババンババンバンバンパイア』」令和7(2025)年7月公開ほか
・ドラマ
「ほんとにあった怖い話2022」令和4(2022)年8月放送
「アキラくん」令和4(2022)年9月放送
「Play a Life」令和5(2023)年3月放送ほか
■FCによる実績と効果
◆ロケ支援実績
制作会社や撮影スタッフからロケ地選定や撮影許可の相談を受け「ロケハン(撮影に適した場所を探すこと『ロケーションハンティング』の略で和製英語)」や撮影支援依頼の手続きを経て、撮影が行われます。各件数とも増加傾向にあり、FC設立以来7年間で140作品を支援しました。
※撮影日数(日)は平成30(2018)年から、相談作品数(件)は令和元(2019)年から、ロケハン作品数(件)は令和3(2021)年から集計
◆経済効果
経済効果とは、撮影に伴う宿泊費、飲食費、交通費、機材リース費、物品購入費など、ロケ地やロケ地周辺での直接的な消費額を指します。地元での消費や業務発注が増えることで、地域経済の活性化や持続可能な産業振興にもつながっています。ロケ支援作品数に比例し、経済効果も順調に伸びています。
※経済効果額(宿泊費、飲食費、機材リース費、施設利用料、雑費)(千円)は、アンケート調査回答(未回答含む)をもとに算出