- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県宇都宮市
- 広報紙名 : 広報うつのみや 2025年8月号 No.1793
ID:1027598
「食品の安全安心」に関する取り組みが世界中で広がっています。本市にも、安全安心な農産物づくりに関する厳しい基準の認証を取得し、農産物の生産に取り組んでいる生産者がいます。
この機会に、私たちの食卓に安全安心な農産物を届けてくれる生産者の取り組みについて理解を深めてみませんか。
■GAPって何?
ミヤリー ねえねえハッピ、最近よく「GAP」っていう言葉を見るんだけど、何のこと?
ハッピ それは「Good(グッド)」な農業(Agricultural(アグリカルチュラル))の取り組み(Practices(プラクティスィーズ))のことを指しているんだよ。要するに、農産物を安全かつ環境に優しく作るための取り組みみたいなものだね。
ミヤリー へえ、それって私たちが買う野菜にも関係あるの?
ハッピ もちろん!GAP認証を受けた農産物は、品質や安全性が保証されているんだ。例えば、農薬の使い方や土壌管理など厳しい基準をクリアしているよ。
ミヤリー そうなんだ、そうすると、私たちがGAP認証を受けた農産物を選ぶことは、環境に良い選択をしていることになるね。
ハッピ そうだね。生産者への応援にもつながるよ。みんなで安全安心な農産物を選んでみよう!
■GAPの認証制度
ID:1027598
GAPには、生産者の取り組みを認証する制度が複数あり、今回は、「GLOBAL(グローバル) G.A.P」の認証を受けた市内の生産者を紹介します。
市内でGAPの認証を受けている生産者など、詳しくは、市HPをご覧ください。
■GAPのメリット
◇消費者にとって
・安全安心な農産物が手に入る。
・異物の混入が防がれている。
◇環境にとって
・環境保全に配慮した、「持続可能な農業」の実現につながっていく。
・農薬や肥料の適正使用により、土壌汚染を防ぐ。
・さまざまな生物との共生が図られる。
◇生産者にとって
・品質の向上につながるとともに、生産・販売計画が立てやすくなる。
・農作業事故・その他トラブルの防止および発生後の原因究明・改善を迅速に行うことができる。
■最も基準の厳しい国際水準
GLOBAL G.A.P認証の生産者を紹介します
◆消費者に選ばれる本当においしいものを
Farm(ファーム)大越
執行役員 生産管理部部長 加藤 晃太(かとう こうた)さん
市内でイチゴ、アスパラガス、オクラ、サヤエンドウ、サヤインゲンなどの作物を生産しています。私たちは、作物の生産、出荷、配送までを自社で一括して行い、直接企業とやり取りをしており、取引先からの要望をきっかけにGLOBAL G.A.P認証を取得しました。以前から取り組んでいた環境型有機農法や労務管理、従業員の意識の共通化なども、認証取得につながりました。
農薬に代わるものとして、米ぬかやカニの殻、大豆を粗びきしたものなど、十数項目の有機質を使用して土壌還元消毒を行う他、土壌分析により土中の菌のバランスを確認するなど、農薬使用量の削減に特に力を入れています。
これからの時代、安全安心な農産物を作り、本当においしいものを届けることはもちろんですが、消費者に選んでもらえるよう、興味という味をどれだけ付与できるかも重要だと考えています。GAP認証がそのきっかけとなり、取得が標準化することが理想だと思います。
◇主なGAPの取り組み
・農産物の適正管理
肥料・農薬の適正管理、有機物を使用した土壌還元消毒。
・スタッフの適正管理
マニュアルの作成、取り組んだ内容の記録の作成。
◇出荷・販売情報
全国のスーパーマーケットなど。
◆イチゴの数だけ笑顔に出会いたい
赤羽いちご園
代表 赤羽 耕一(あかば こういち)さん
GAPに取り組んだのは、イチゴを海外へ輸出したいと思ったことがきっかけでした。実際にGAPに取り組んだことで、農産物の生産管理体制を見直し、整備したマニュアルを元に、従業員への指示を明確にすることができました。また、過去の記録などから事前に起きる可能性のあるトラブルを予測し、その対策もあらかじめ講じてあるため、いざという時にすぐ対応できるようになりました。
安全安心な農産物を作るために、農薬の利用は極力控えめにし、防虫ネットやUV-B電球などの代替方法で対応する他、病害虫の予測も行っています。また、品質を目に見える形で示せるように、残留農薬検査や土壌分析、水質検査にも力を入れています。
消費者の皆さんに、丹精込めて大切に育てたイチゴを食べてもらい、頬張った時に思わずこぼれる笑顔に出会えることが、一番のやりがいや幸せにつながっています。これからもたくさんの人に笑顔を届けるため、究極のイチゴ作りに取り組んでいきます。
◇主なGAPの取り組み
・畑、農園などの適正管理
毎年、残留農薬検査、土壌分析、水質検査を実施。
・スタッフの適正管理
衛生管理、情報共有、教育訓練。
◇販売情報
JAグリーン上河内(下小倉町)、えきの市場(川向町・宇都宮パセオ内)、梵天の湯(今里町)など。
GAPの取り組みは、世界レベルの安全安心の基準で、現在開催されている大阪万博でも、GAP認証農産物が食料調達基準の一つになっているよ。
問合せ:生産流通課
【電話】632-2466