- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県栃木市
- 広報紙名 : 広報とちぎ No.180 令和7年4月号
■栃木県立栃木農業高等学校3年
ドラゴン研究部
坪井律貴(つぼいりつき)さん
第6回全国高校生農業アクション大賞で、奨励賞を受賞した栃木農業高校のドラゴン研究部。今回は部を代表して坪井さんに、その活動や研究内容についてお話を伺いました。
▽土のなかのドラゴン
ドラゴン研究部の名前の由来であるミミズについて尋ねると、「ミミズには、すごい力があるんです。まさに土のなかのドラゴンです。」と嬉しそうに答えてくれました。全国高校生農業アクション大賞で奨励賞を受賞した研究も、ミミズを使った肥料の研究でした。
「ミミズがいる土と、いない土ではカルシウムが2倍。リン酸が6倍も違います。カルシウムは人間にとっても有効な成分ですが、作物にとっても有効な成分。リン酸は花を咲かせる成分なんです。」と丁寧に説明してくれました。さらに「このミミズを使った肥料は、化学肥料を使わない有機農業に貢献できると思っています。」と続けます。
▽好きなこと、目標を持つこと
「オランダでは、『ミミズホテル』というものがあるんです。」
ミミズホテルとは、住民が食べ残しなどを持ち寄り、ミミズを育て、出来た肥料を農家に還元する設備だそうです。坪井さんとお話をしていると、次々に農業に関する知識を分かり易く教えてくれます。
坪井さんは高校生活で、2つの好きなことを見つけました。
1つ目は、『農業』。自宅で家庭菜園をしていたことから、なんとなく農業高校に入学したそうですが、今では農業が大好きになったと、真っ直ぐな目で話します。2つ目は、『教えること』。テスト前の友人との会話のなかで、自分は人にものを教えるのが好きだと気づいたと話してくれました。
『農業』と『教えること』。坪井さんは将来、ドラゴン研究部顧問の先生のように農業を教える仕事がしたいと話し、4月から農業大学校に進学するそうです。「高校生のうちに、自分がやりたいこと、目標が見つかって幸せだと思っています。」
▽ミミズは好きだけど
農業高校では年に一度、マラソン大会があり、太平山を走るそうです。
「マラソンを走りながら、自然を感じられる太平山が好きです。お正月には家族で初詣にも行きます。」と栃木市の好きな場所について教えてくれました。取材も終わり、緊張も解けて何気なく、本当にミミズが好きなんですねと尋ねると「ミミズを観察したりするのは好きですけど、実は、触るのは苦手なんですよ。」と苦笑いの坪井さんでした。