くらし 【tsulunos PLUS】+ネーチャー いきものスケッチ

群馬で見られる動植物の特徴や生態を紹介します

■長い尾の優美な姿が印象的 広く親しまれる群馬の県鳥
県内の山林に四季を通じて広く生息するヤマドリは県民に親しまれていることから、昭和39年に群馬県の県鳥に指定されました。普段はやぶや雑木林にすみ、木の実や種子、昆虫などを食べて過ごします。警戒心が強く敏感で、日中は地面で活動し、夜は林の中で休みます。一夫多妻制ですが、通常は単独で行動することが多いです。

◆ヤマドリ-山鳥-
◇特徴
本州、四国、九州に自然分布するキジ科の日本固有種。雄は長い尾が特徴で、その姿は奈良時代から歌に詠まれるなど、歌人にも親しまれ、日本文化にも欠かせない存在です。雌の体長は雄よりもやや小さく、全身が淡褐色で、羽の一枚一枚の縁に、黒色の細かい模様があります

◇雄
目の周りに、キジに似た赤い部分がある
全身は淡い赤褐色
体長約125センチメートルのうち半分以上を長い尾が占めることもある

◇ヤマドリの鳴き声は?
ヤマドリの雄は春から初夏の繁殖期「クワッ!クワッ!」と短く鳴き、続けて「ドドドドッ」と翼を打つ「ドラミング」で縄張りや求愛を示します。近年はヤマドリの生息数が減り、鳴き声だけが森に響くことも多く、その声は、今も豊かな森を伝える証として大切にされています
取材協力:県立自然史博物館 学芸員 姉崎 智子(あねざき ともこ)さん

■似ているといわれるキジとの違いは?
(1)雄の顔はハート型に赤く、繁殖期には雌に求愛するために大きく赤く肥大する
(2)胸は光沢のある緑色
(3)長く伸びた黒い尾が特徴であるが、ヤマドリの尾よりはやや短い
※詳細は本紙をご覧下さい。

同じキジ科の鳥ですが、キジは河原や田んぼなどの平地に生息するのに対し、ヤマドリは山間部に生息するため、両者の生息環境は大きく異なります