くらし 20年後への羅針盤 ぐんま・県土整備プラン2025
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- 自治体名 : 群馬県
- 広報紙名 : ぐんま広報 2025年5月 No.432
県では今年3月、あらゆる危機に対応できる「災害に強く、安定した経済活動が可能な群馬県」を実現するため、新しい県土整備プランを策定しました。新たに「地域ごとの災害対応組織力の維持」というコンセプトを掲げ、県土全体の強靱化をより一層推進していきます。
群馬県が20年後に目指す将来像について、今後10年間で取り組む政策とともに紹介します!
■政策1 災害レジリエンス(※1)No.1の実現
※1 災害レジリエンス…大規模な災害時においても致命傷を回避しつつ被害を最小化する「防災力」と、私たちの暮らしや経済活動を速やかに立ち直らせる「回復力」のこと
▽10年後に目指すぐんまの姿
・「レジリエンスの拠点」として首都機能をバックアップし、企業の県内進出や移住・定住が進む
・災害時の孤立集落の発生がなくなる
・水害や土砂災害からの逃げ遅れによる死者がいなくなる
●[pick up]水害対策の加速化・高度化
気候変動の影響などにより、気象災害が頻発化・激甚化しています。県では、河川改修や堆積土除去などの水害対策に加え、河川流域全体のあらゆる関係者と協働し、水害リスクの低い地域への居住や都市機能の誘導、調整池の整備を促進するなど「流域治水」を推進します。
また分かりやすい防災情報の発信や「マイ・タイムライン(※2)」の作成支援、防災教育など、被害軽減のための対策を推進します。
※2 マイ・タイムライン…台風などの接近による災害発生時に、自分自身が取るべき行動をあらかじめ時系列で整理した住民一人一人の避難行動計画
(堤防嵩上げ(太田市・八瀬川))
(調整池(前橋市))
(防災教育教材を使った授業の様子)
■政策2 持続可能で効率的なメンテナンス
▽10年後に目指すぐんまの姿
・インフラ長寿命化計画に基づくメンテナンスサイクルを確立し、インフラの健全性が次世代へと確実に引き継がれる
・効率的な維持管理により、誰もが安全で快適に過ごせる生活基盤を維持している
・県独自の新技術が創出され、持続的なメンテナンス体制が構築されている
●[pick up]新技術を活用したインフラメンテナンス
インフラが長期にわたり健全性を維持するためには、限られた人員で膨大なインフラを適切に維持管理する必要があります。
この問題を解決するため、県では電磁波やセンサー、AIなどのデジタル技術を積極的に活用し、効率的なインフラの状態把握に努めます。
(車両から出す電磁波を使って橋梁点検をするイメージ)
(光変位センサーを用いた、橋梁の劣化を早める過積載車両を監視するシステム)
●[interview]インフラ整備は未来への投資―「災害対応組織力」をコンセプトに群馬県は新たなステージへ
これまでの取り組みで一定の成果を出してきた防災・減災対策をさらに加速させるため、新たに「災害対応組織力」をコンセプトとし、県土全体の強靱化を進めることにしました。またぐんま・県土整備プラン2025では「インフラ整備は未来への投資である」という点を強く打ち出しています。
具体的には「政策3」のような未来を切り拓く礎となるプロジェクトを盛り込み、インフラ整備を新たなステージに移行させる方針を示しました。プランの内容を分かりやすく伝えるため「20年後に目指す将来像」(紙面中央)や各政策の内容をイラストで描いたことも特徴です。
インフラ整備は、地域の安全・安心や経済成長を支えるためになくてはならないものです。県内各地で行う具体的な事業も掲載していますので、県民の皆さんにもぜひご覧いただきたいと思います。20年後、より魅力ある群馬県となるよう、プランに基づく施策や事業にしっかりと取り組んでいきます。
県庁建設企画課(現在の所属は県庁都市整備課) 久保田恒太さん
■政策3 未来につながる魅力的なまちづくり
▽10年後に目指すぐんまの姿
・先進的な技術や発想で、新たな「群馬の未来」を拓く
・商業、医療、福祉などの生活サービスが維持され、誰もが暮らしやすい居住環境が確保される
・移動の利便性が高まり、企業集積や観光地のにぎわいが増すとともに、生活サービスを利用しやすくなる
・こどもたちが安全に通学できる環境の整備が進み、子育て世代も安心して住めるまちになる
●[pick up]エリア価値を創造する未来投資
これまでは、土地利用規制による無秩序な開発の抑制や、計画的な社会資本の整備により、まちづくりを進めていました。これからの人口減少社会のまちづくりでは、地域の魅力を高めることで、民間投資を誘導する視点が必要です。県では、将来のまちなみや空間イメージを官民共創で描き、地域への民間投資を促す取り組みを進めます。
▽ウオーカブル(※1)なまちなかの形成
県では、県庁~前橋駅間のメインストリートを車中心から公共交通と人中心のウオーカブルな道路空間に再編することで、道路やまちなかににぎわいを創出し、居心地が良く歩きたくなるまちなかづくりを目指します。
※1 ウオーカブル…歩く(walk)とできる(able)を組み合わせた造語。歩きやすい、歩きたくなるという意味
(県庁~前橋駅クリエイティブシティ構想)
また前橋市の敷島エリアにおいて、地域の魅力を高める公園の整備・保全の方針とする「敷島エリアグランドデザイン」を策定しました。その第1歩として、民間事業者のノウハウを生かすPFI方式(※2)で新水泳場の整備が進められています。
※2 PFI方式…民間の資金と技術力を生かし、公共施設などの設計や建設、維持管理を行う公共事業の手法
(敷島公園新水泳場整備のイメージ(前橋市))
■政策4 美しく良好な環境の保全
▽10年後に目指すぐんまの姿
・環境に配慮した暮らしが営まれ、生物多様性が回復し、豊かで美しい自然環境が引き継がれる
・誰もが安心して利用・活用できるような水環境に改善されている
・再生可能エネルギーの活用や、資源の循環利用が進んでいる
●[pick up]再生可能エネルギーなどの推進
インフラ分野においても、再生可能エネルギーの利用・活用やカーボンニュートラルを推進し、地球温暖化対策に取り組みます。
県では、既存のダムや砂防堰堤などの落差を利用した小水力発電の可能性を調査し、再生可能エネルギーの活用に向けた検討を行います。
(既存の砂防堰堤を利用した小水力発電(イメージ)。新たなダムや貯水池の建設が不要で、環境負荷が少ない)
※イメージなど詳細は、本紙またはPDF版をご覧ください。
出典:ぐんま・県土整備プラン2025
皆さんの住む地域ではどんな事業が進められるのか、ご自身でもチェックしてみませんか?
・「ぐんま・県土整備プラン2025」の全体版は、こちらからご覧ください
問い合わせ先:県庁建設企画課
【電話】027-226-3535