- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県加須市
- 広報紙名 : 広報かぞ 2025年12月号
■自治会入ってますか?
現在、加須市には181の「ジチカイ」=自治会・町内会・区からなる自治協力団体(以下、自治会)があります。
近年、少子高齢化や核家族化、ライフスタイルの多様化により、地域のつながりは薄れつつあります。隣人の顔を知らない、地域行事に参加したことがないという人も少なくありません。
このような変化の中、災害時の支援体制やこども、高齢者の見守りなど、地域で助け合いが求められる場面で自治会が果たす役割はますます重要になっています。自治会は地域住民が主体となって防災訓練や清掃、見守り活動、イベントなどを行うことで、地域の絆を育み、暮らしの安心と安全を支える存在です。行政では手が届きにくい部分を補い、住民同士のつながりを生み出す「縁の下の力持ち」ともいえます。
一方で「役員の負担が大きそう」「加入のメリットが分からない」といった声もあり、加入率の低下や活動の担い手不足といった課題を抱えています。令和7年5月1日時点の加入率は72.5%ですが、年々低下しています。特に北川辺地域では、加入率の低下が深刻な状況です。
この特集では、活動や加入者の声を通じて、地域における自治会の意義と大切さをお伝えします。自治会は堅苦しい組織ではなく、誰もが気軽に関われる「地域のつながりの場」です。今こそ自治会の可能性を見つめ直し、より豊かな地域づくりの一歩を踏み出してみませんか。
自治会加入率の推移

※各年度5月1日現在
■みんなでつくる安心のまち
○加須市自治協力団体連合会 会長 石川安則さん
自治会では、地域の皆さんが安心して生活できるよう、さまざまな活動を行っています。
例えば、有事に備えた防災訓練はその一つです。令和元年の台風第19号では、一部地域に避難指示が出されるなど緊迫した状況となりましたが、自治会の皆さんが連携して高齢者世帯や避難が困難な方を訪問し、避難支援などを行いました。この経験から、改めて自治会の必要性と重要性を実感しました。
他にも近年、頻繁に耳にする特殊詐欺への対策も行っています。警察庁によると、特殊詐欺に使用された電話番号の約74%が国際電話番号とのことです。自分たちが住むまちの防犯力を高めるために、市内全自治会で構成する「自治協力団体連合会」では、各自治会を通じて注意喚起を行いながら、犯人からの国際電話をブロックする「国際電話利用休止」手続きの勧奨を進めています。今後も皆さんの安心と安全を守るため、機会を捉えて周知していきたいと考えています。
自治会と聞くと少し敷居が高いと感じるかもしれません。しかし、初めて活動に参加した方からは「思ったより楽しかった」「新しい出会いがあり参加して良かった」など、前向きな話を聞くこともあります。
一方で、自治会に加入しない世帯が増えてきており、ごみ出しに関する課題が生じています。ごみ集積所は誰でも利用できますが、管理を担う加入者との公平性を保つ必要があります。
自治会は、地域の皆さん一人ひとりの協力によって成り立っています。未加入の方は、ぜひこの機会に加入していただき、活動に参加していただけると嬉しいです。
■自治会加入者の声
○美保さんご家族 加須地域在住
行事に参加することで、こどもたちも楽しいと喜んでいますし、地域の親同士の絆も強くなったと感じます。何より、地域全体で見守ってもらえている大きな安心感があります。
○渋谷さんご家族 騎西地域在住
引っ越してきたばかりの私たちも気にかけてくれるので、地域にスムーズに馴染め、安心して過ごせています。行事にも誘ってもらい、楽しく参加する中で地域とのつながりを実感しています。
■自治会の活動のアレコレ
○安心・安全の向上
登下校の見守りや防犯パトロール、防災訓練などを行い、地域の安心と安全を守っています。
○生活環境の美化
自分たちが暮らす地域の環境をより良くするため、ごみ集積所の管理や公園清掃などを行っています。
○地域交流の促進
地域のお祭りや伝統行事、スポーツなどのレクリエーションを通じて、地域の交流を深めています。
○行政との連携
市と協力して危険箇所にカーブミラーや防犯灯を設置したり、道路や水路を適切に管理しています。
■Pick up!他にもこんな取り組みも
○ムクドリ追い払い作戦
鳴き声やふんなどで私たちを困らせるムクドリ。市と協働してムクドリを追い払い、地域の環境を守っています。
花崎北第一区・二区・三区町内会、ライオンズガーデン花崎自治会
○ラジオ体操
毎週日曜日の7時30分から行うラジオ体操。体を動かすだけでなく、この場で交わす会話も地域の元気につながっています。
南町四区町内会
