くらし SOSに気づくまち SOSを出せるまち(2)

■認知症に関する活動を地域で行う理由とは?
地域が「誰もが自分らしく暮らせる雰囲気」をつくる

◆「誰もが自分らしく暮らせる地域」をつくる地域の活動
市では認知症サポーター養成講座やステップアップ講座などさまざまな取組を実施しています。そして現在、その活動を地域に広げる取組も行っています。
今回は、ステップアップ講座の内容の一つである「認知症高齢者等SOS模擬訓練」を自治会で初めて実施した小島南自治会の鳥羽孝夫さんと本庄西地域包括支援センター(以下、西包括)の皆さんにお話を伺いました。

▽自治会主体で模擬訓練を開催したきっかけはなんですか?
鳥羽さん:これからの高齢化社会、認知症について多くの人に知ってもらうべきだと思っていたところ、西包括から声をかけてもらった事がきっかけです。そうして西包括に協力してもらい、小島南自治会で定期的に行っているサロンで模擬訓練の体験という形で開催する事ができました。

▽自治会で模擬訓練を開催して、良かった点は?
西包括:認知症サポーター養成講座を受けた事が無い多くの方にも参加してもらえました。サロンでの開催で、見知った皆さんと一緒に取り組めることが、参加のしやすさにつながったと思います。また、地域のお宅や店舗にも協力を得て、実際の状況に近い雰囲気で行えたため、より実践的な訓練になりました。
鳥羽さん:地域で開催した事で、参加しなかった人の目にも触れ、認知症に関する活動自体の周知にもなりました。自分の住む地域がこのような活動をしていると知ってもらえるだけでも安心感につながり、自治会で開催する大きな意義があると思いました。

▽認知症に関する活動を地域で行う理由とは?
鳥羽さん:あの人困っているのかな?と気づいた時に、声をかけていい雰囲気を地域に醸成するためだと思います。地域全体にそういった雰囲気がないと、いざ地域で困っている人に気づいた時、声をかけにくくなってしまいます。困っている人への声かけも、地域であいさつやごみ拾いする感覚の延長線にあるもので、「自分にできる事からやる」事が大切だと思います。
西包括:身近な人の違和感に気づく準備になるという点も重要です。「あの人最近見てないな」、「ポストに郵便物が溜まったままになっている」といった違和感にいち早く気づく事が、行方不明を未然に防いだり、速やかな捜索につながるかもしれません。
鳥羽さん:困っていても声を上げられない、助けを求められない認知症の方が多いと思います。SOSに気づいてくれる地域の雰囲気は、自分が困った時にSOSを出しやすい雰囲気にもつながると思います。こういった活動が多くの地域に広がっていくといいですね。

―地域のつながりや支え合いが『誰もが自分らしく暮らせる地域』をつくる―

◆認知症高齢者等SOS模擬訓練
認知症の知識や対応方法を学び、何か困り事がありそうな認知症高齢者役に声をかける模擬訓練です。相手の様子や服装から気にかける点、声をかけ始める時の立ち位置などのアドバイスももらえます。

認知症高齢者等SOS模擬訓練に関心のある方は、お近くの地域包括支援センターまたは高齢者福祉課へご相談ください。

■認知症が当たり前になった今、私たちにできることはなにか
認知症があってもなくても一人ひとりの役割と権利が尊重され、共に生きていくため、社会全体が持つべき重要な視点が「新しい認知症観」です。認知症が疑われるような変化に気づいたときは、正しい理解のもと優しい声かけや配慮ができる、自分が困ったときは、相手が理解し受け止めてくれると信頼して打ち明けることができる、そんな地域の信頼関係の積み重ねが安心して暮らせる地域につながるのだと思います。
認知症があってもできることはたくさんあります。諦めるのではなく、希望と意思を持って、自分らしく暮らし続けることができる地域を目指して、私たち一人ひとりにできることを考え行動してみましょう。

■~認知症や地域の活動についてもっと知りたいと思った方へ~
▽認知症サポーター養成講座
認知症とともに生きるために、私たちが今できることを一緒に考えてみませんか。
日時:10月7日(火)午後1時30分~3時
会場:本庄ガスECOはにぽんプラザ2階活動室D・E
講師:キャラバン・メイト
対象:市内在住・在勤者
定員:30名(先着順)
費用:無料
用意:筆記用具
申込み:9月18日(木)から10月3日(金)までに電話または直接高齢者福祉課へ

▽ステップアップ講座
日時:10月14日(火)・21日(火)・28日(火)全3回午後1時30分~3時30分
会場:本庄ガスECOはにぽんプラザ2階活動室D・E
講師:認知症地域支援推進員等
対象:認知症サポーター養成講座を受講した市内在住・在勤者で、地域活動に興味のある方
内容:地域活動について、認知症高齢者等SOS模擬訓練等
定員:30名(先着順)
費用:無料
用意:筆記用具
申込み:9月18日(木)から10月3日(金)までに電話または直接高齢者福祉課へ

他にもさまざまな講座やイベントを開催しています。詳しくは広報ほんじょうおしらせ版8月15日号をご覧ください。

■~困っていそうな方に気づいたとき~声をかけてみませんか
困っていそうな人に声をかけてみたけれど、その後どうしたらいいか分からない。そんな時に役に立つものが見守りシールです。
見守りシールとは、二次元コード付きシールをひとり歩き行動のある認知症高齢者等の衣服や持ち物に貼り、行方不明になった際に早期発見するためのサービスです。発見者が二次元コードを読み込むと専用伝言板を介して高齢者等の家族と連絡をとることができます。
困っていそうな方を見かけたら、まずはご本人の正面から優しくお声がけください。持ち物や衣服に見守りシールが貼られていた際は、読み取りにご協力ください。

問合せ:高齢者福祉課
【電話】25-1722