くらし 埼玉県こども動物自然公園 かどちゃんの植物ZOO鑑

■花だより
門倉緑地係長

師走(しわす)…しわすとは、昔12月に仏教行事が多く、お坊さん(師)が走ってしまうほど忙しいさまを表したという説があります。でも、年越しの準備で忙しいのは、私たちも同じですね。
長い夏が終わり、短い秋を経てもう冬になります。日本人は古くから紅葉を見て秋を楽しんできました。園内でも紅葉する木はあるのですが、今年の様子はどうでしょうか?
昔は、サクラの葉もきれいな赤い葉になってから、葉を落としたものですが、最近は色づく前に落葉するイメージが定着しました。写真の3色の葉は、私が動物園に勤め始めた頃、園内の落ち葉の中から見つけた不思議な葉です。当時は名前も知らず、図鑑で調べてモミジバフウという名前を知りました。あまりに不思議な色づき方だったため、思わず写真を撮りました。以来、同じ色目の葉を探しているのですが、二度と見つけることはありませんでした。この色になる仕組みを知りたかったです(虫食いが関与しているような気がします)。
園内には葉が3つに分かれたフウやモミジの葉のような形のモミジバフウが植えられています。どちらも環境を選ばず、大きくなる木で公園にはよく植えられています。以前は動物園の中に大木がたくさんあったのですが、現在は「こうのいけ」周辺に中木が数本育っており、大木は「花と鳥の丘」に植えられています。これらの木はタネをたくさん作るので、実生の芽がたくさん出ています。小さいうちからしっかり特徴的な葉を持つので、見つけるのが楽しいです。両方とも面白い蒴果(さくか)(植物の果実の一部で、乾燥すると内部の種子を放出する)を付けるので、見比べてみてくださいね。
今回は紅葉と蒴果を落とす高木を紹介しました。今月はクリスマスがあります。園内でオーナメントになりそうな色々な蒴果を探してみませんか?

フウ:マンサク科の落葉高木。台湾、中国中南部が原産で別名タイワンフウ。ほとんどの葉は3つに分かれていて、蒴果の突起が長い。
モミジバフウ:同じくマンサク科の落葉高木。北米中南部、中米が原産で別名アメリカフウ。小枝に翼があるらしいが、高木のため確認が難しい。ほとんどの葉はモミジのように5~7つに分かれる。蒴果の突起は短くがっちりしているのが特徴。

※1月号は動物ZOO鑑です。

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