- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県狭山市
- 広報紙名 : 広報さやま 2025年8月号
狭山の隠れたいいところを、広報課の職員が取材しお伝えします。
■担い手たちの思いが詰まった美しいヤマユリ
毎年、夏が始まるのと時期を同じくして、私たちに美しい姿を見せてくれる花があります。それは、稲荷山特別緑地保全地区に咲くヤマユリ。上品で優雅な花弁と香りから「ユリの女王」と呼ばれています。他の地域でもあまり例を見ない約1,000株の自生ヤマユリが、毎年きれいに咲くのにはどのような理由があるのでしょうか。手入れを行っているボランティア団体「稲荷山・山ゆりの会」の代表、福田さんにお話を伺いました。
「これだけの規模で花が咲くのは、環境面が適していることと丁寧に手入れをしていること、この2点が大きな理由です」と教えてくれました。毎年、肥料を与えなくても自生で花が大きく育つのは、土壌に含まれているヤマユリに適した共生菌が、栄養豊富な腐葉土を醸成しているからだそうです。しかし、自然に任せたままの状態では、ツルや雑草が伸び放題になってしまうため、そこにはボランティアの皆さんによる作業が欠かせません。「10年くらい前までは、この里山もろくに手入れがされておらず荒れた状態になっていました。近所に住んでいる人間として見過ごすことができず、手入れをする仲間を募ったところ、一人また一人と手を上げてくれました」と活動を始めた頃を振り返る福田さん。現在、15名の会員で真冬と夏を除いて、除草や支柱の設置などを行っています。
「花を見に遠くから訪れる方も増えて、皆さんが喜んでくださる姿を見ると、活動してきて良かったと感じます。ただ、会員も70歳を超えた人たちばかり。作業が年々体力的に大変になっているので、一緒に活動してくれる仲間を随時募集しています」とのことです。美しい里山を保全していく活動に興味のある方は、福田さんまでご一報ください。
問合せ:稲荷山・山ゆりの会福田さんへ
【電話】080-1186-8355