くらし 輝いてます ひと

押し花作家 島田 敷(しまだ のぶ)さん

■身近な花をアート作品に
「もうすぐアジサイが咲くのが楽しみです」とほほえむ、押し花作家の島田敷さん(中央7丁目・80歳)。自宅の庭には作品を彩るさまざまな花が植えられています。
押し花との出会いは50代の時。友人と訪れた政岡 美智子(まさおか みちこ)先生の作品展です。作品の美しさと、子どもの頃の押し花遊びの思い出に背中を押されて政岡先生の教室に通い始め、2年後にはインストラクター資格を取得。更に腕を磨き、平成12年には自宅で教室を開講するまでになりました。
1年間をかけて制作した最新作で描かれているのは水辺の風景。輝く水面は1枚1枚アジサイの花びらを並べ、傍らに建つ家のかやぶき屋根はタケノコの皮で表現しました。
こうした作品作りのほか、地域では公民館や歴史民俗資料館の講座で講師を務めています。新型コロナの影響で作品展が開けない時期に、友人の押し花作家の多くが引退していくなか、作品制作を続けられたのは、教室や講座で講師をしていたおかげだと言います。「楽しそうに作品を作り、出来上がりを喜ぶ受講者の顔を見るのがなによりうれしく、私の力になっています」と話す島田さんの講座は、押し花の美しさと優しい人柄でいつも大盛況。最近は来月に控えた歴史民俗資料館の夏休み体験講座(お知らせ版9ページ)の準備に余念がありません。
押し花作りには時間と手間がかかりますが、声を掛けてもらえるうちは講師を続けたいと話し、夫の愼次(しんじ)さんもその活動をサポート。庭の花に水をやったり、散歩の時に川べりで草花を摘んで帰ったりしてくれています。「時間がいくらあっても足りないの」と楽しげに話す島田さんの丁寧な手仕事から生まれる押し花は、これからも地域に笑顔の花を咲かせるでしょう。