- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県志木市
- 広報紙名 : 広報しき 令和8年2月号
■第65回 菖蒲沼(しょうぶぬま)の三面六臂(さんめんろっぴ)の馬頭観音(ばとうかんのん)
中宗岡3丁目の郷土資料館(現在休館中)の三叉路を左に入り、進んでいくと土手に突き当たり、道なりの土手向こうの下ったところに菖蒲沼※の三面六臂の馬頭観音があります。
馬頭観音は、観音菩薩が三十三に変化し、民衆を救済する観音の一尊で、馬が周りの草を食べるように、俊足で走り回り、悪を食いつくすといわれています。
馬頭観音は、その名のとおり頭上に馬の頭を戴く観音菩薩で、彫像のものや「馬頭観音」「馬頭観世音(ばとうかんぜおん)」などと刻まれている文字塔もあります(宝幢寺山門前)。建立の目的は、昔は悪いことをすると馬や牛のように畜生道に落ちたと信じられていた人の救済(祈願)にあたるものでしたが、時代とともに人助けをする馬や牛などの家畜の守護仏のように考えられるようになり、その多くは墓標化し、馬の供養のために建てられました。
この三面六臂(顔が3面、腕が6本)の像容を持った馬頭観音は、馬の供養が直接の目的ではなく、宗岡村の35人の念仏講の主尊として天和3年(1683)2月に建立されたものです。数年後に幕府が「生類憐(あわれ)みの令」を出したことからも、いかに古く歴史的価値があることが分かります。
※菖蒲沼:現在、荒川土手外の田んぼ。もとは旧河道の沼地で菖蒲が多く自生していたところから起こった地名といわれています。
