健康 健康豆知識 第154回

『スマホ・タブレット・テレビなどの子供達への影響』
提供:桶川北本伊奈地区医師会

液晶から発するブルーライトについては過去に特集がありました。今回はデジタル機器を利用することでの子供達の心への影響についてお話しします。
一昔前のクリニック待合室では子供達が大声を出しながら走り回ったり、お母さんの膝に抱っこされて絵本を読んでもらったりしている光景が見られました。現在の待合室は、大多数の子供達がとても静かに順番を待っています。子供はスマホやタブレットなどに夢中になっているようです。診察の場面でスマホを取り上げられると、素直にあきらめる子供が多いのですが、切れたり大泣きする子供もいます。
一方的なメディア漬けの影響として、お母さんの話しかけが激減する、テレビの日本語とお母さんの日本語は違うので発語の時期が遅くなる、発音発声が不明瞭、人の目を見て話さない、落ち着きがない、姿勢態度がふらつく、駄々をこねたりかんしゃくをおこしやすい、自分の考えがなくなり受け身の姿勢を助長、などがあげられます。しかし、大多数の研究では、大きな影響はないとしています。
動画プログラムの中には、子供の発達を促進するものもありますが、乳幼児は健全な脳発達と適正な社会性、情緒、認知発達のために親と触れ合うことが必要です。青少年は十分な睡眠時間、身体活動、そしてメディアを使用しない時間が必要であることも明らかになっています。単に利用を制限するのではなく、親子間でメディアの内容や使用時間をきちんと決め、睡眠、身体運動、親子間の交流時間を取るようにしましょう。
子供の機嫌やタイミングもあるとは思いますが、スマホを取り上げられて大泣きする場面を見ると親子間でのルールの確認はとても重要であると考えます。