子育て 【特集】健やかな心と体を育む 特色のある幼児教育(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県富士見市
- 広報紙名 : 広報富士見 令和7年11月号
■子どもを取り巻く環境と幼児教育の重要性
近年、地域コミュニティの希薄化や、核家族化による子育て世代の孤立など、子どもを取り巻く環境の変化が、子どもの発育に影響を与えていると指摘されています。
子どもは生活や遊びの中で、さまざまな体験を通して、情緒的・知的な部分が発達し、社会性を養い、社会の中で生活するための基礎を身につけていきます。特に幼児期は発達・成長が著しい時期で、この時期にたくさんの経験をすることは、将来、人とのつながりの中で心豊かに充実した生活を送るために大変重要であると考えられています。
そこで、幼稚園などの施設には、教育内容のさらなる充実と、子ども一人ひとりにとって実りある生活につながるような、特色のある幼児教育への取り組みが期待されています。
■特色のある幼児教育を支援
市内の私立幼稚園(認定こども園の幼児教育を含む)では、子どもを取り巻く環境の変化に対応しながら、子どもたちの健やかな成長を願って、多様な教育活動に取り組んでいます。
本市では令和元年に県内の自治体としては初めて「私立幼稚園特色のある幼児教育推進事業補助金」を創設し、各幼稚園が実施する独自性のある教育(特色のある幼児教育)を支援しています。対象となる取り組みは、各幼稚園から提案を受け、「独創性を高める工夫がある取組であるか」、「園児の能力を伸ばす取組であるか」、「園児の意欲を引き出す取組であるか」などを基準に審査を行い、現在、9つの私立幼稚園の取り組みを認定しています。
これからも子どものためのより良い教育を追求する私立幼稚園の取り組みを支援し、幼児教育のさらなる充実につなげていきます。
■谷津幼稚園
◇“できた!”を通じて自信と体力を育む
楽しみながら自然と体を動かす機会を増やすために「うきうきスポーツday」をスタートしました。講師による年6回の指導により、さまざまな運動器具を使ったサーキット運動を実施しており、運動の楽しさや基本的な動きの習得を促しています。取り組みを通じて、これまで遊ぶ子が少なかった鉄棒で逆上がりの練習に挑戦する姿や、うんていで遊ぶ姿をよく見るようになり、子どもたちの運動への関心や意欲に大きな変化が見られるようになりました。また、体を動かすことへの苦手意識が少しずつ減り、運動が「楽しい」「好き」と感じる子が増えてきたように思います。子どもたちが自ら考え、協力し、挑戦する力を育んでいることに大きな喜びと成長の手応えを感じています。
本園では、取り組みを通じて、子どもたちが心も体ものびのびと成長できる環境づくりを大切にしています。運動の楽しさを感じながら、挑戦する力・協力する姿勢・自分を信じる気持ちを育むこの取り組みは、単なる体力づくりにとどまらず、これからの時代を生き抜くための“生きる力”の基盤になると考えています。そうした未来への土台を築く取り組みとして、今後も継続・発展させていきたいです。(園長 萩原 栄)
■すわ幼稚園
◇トランポリンで平衡感覚と三半規管を鍛えて体幹強化
「キッズ体幹強化チャレンジ」と題し、年少、年中、年長の各学年で3回ずつとプレ保育の期間に1回、トランポリンを実施しています。本園は縄跳びが得意な子どもが多いのですが、取り組みを通じて“飛ぶ力”が強化されたためか、体操の先生が驚くほどさらに縄跳びが上達し、あや跳び、交差跳びも上手になり、縄跳び大会では白熱したバトルが繰り広げられるまでに成長しました。子どもたちはトランポリンが大好きで、トランポリンの日をとても楽しみにしています。
これまでに、ヒップホップダンスや空手エクササイズ、忍者レッスン、キッズヨガなど、さまざまな取り組みを実施し、子どもたちの成長に効果を感じています。特にトランポリンは子どもたちから人気があり、保護者の皆さんにも喜んでもらえていることから、今後も継続していきたいと考えています。(園長 加治 茂幸)
