- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県毛呂山町
- 広報紙名 : 広報もろやま 令和7年9月号 No.1020
高齢化の進展に伴い、認知症高齢者の増加が見込まれています。認知症は、高齢になれば誰でも発症する可能性のある身近な病気です。そのため、認知症の人とその家族が安心して暮らせるよう、一人ひとりが認知症を正しく理解し、地域で支え合っていくことが大切です。
令和6年1月1日に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は、認知症の人を含めた国民一人ひとりがその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ、支え合いながら共生する活力ある社会の実現を推進することを目的としています。認知症の人は家に引きこもりがちになり、コミュニケーション不足に陥りやすくなります。また、その家族も同様で、介護に疲れ、家で過ごす時間が長くなることも多く、その結果として、孤立し、介護うつ等に発展してしまう場合もあります。
オレンジカフェ(認知症カフェ)は、認知症の人やその家族同士が、悩みを共有したり共感したりすることで、ストレスの軽減だけでなく、さまざまな人と触れ合うことで孤立の防止にもつながっています。また、地域の人も参加することで、認知症を正しく理解してもらう機会ともなっており、認知症の人や家族にとって、住みやすい地域づくりにつながることが期待できます。
毛呂山町でも、オレンジカフェを定期的に開催しており、今回は、オレンジカフェの参加者やそのご家族にお話を伺いました。
■参加者へインタビュー
Q オレンジカフェに来てみてどう感じますか?
A オレンジカフェに来て、皆さんの顔を見ると、お話をしなくてもいくらか気分転換になるかな。
Q Sさんはいつも楽しそうに参加されていますね?
A そうですね~、家には誰もいませんので。運動だと思って、できるだけここ(中央公民館)まで歩いてきて、周りの話を聞いたり、悩みを聞いてもらったり。自分が認知症になってしまったら困るな~、っていうのもあって…。
Q オレンジカフェに来てみてどう感じますか?
A 元々中央公民館では、ダンスや太極拳をしていて、身体にはすごく気を付けていたけど、今はできなくなっちゃって。子どもが家を出て一人になっちゃったから、すごい孤立感があって…。でも、ここに来るとみんなで話をして楽しいし、公民館(のオレンジカフェ)だけでなく、ハピネス館のオレンジカフェにも通っている。ものすごく楽しくて、近所の人を誘ったこともある。
Q オレンジカフェの良いところは?
A 参加しているみんなが「楽しくやろう!」という思いで集まっている。ここは馴染みの場所だし、だからこれからもよろしくね♪
Q オレンジカフェに来てみてどう感じますか?
A とてもいいです。家の中のこと外のこと色々なことがあるけど、家で夫と二人でいるとつまらないことで言い合いになっちゃう。少し家から離れてみるのもいいかなと…。だっていつも一緒だと夫婦の会話がないもの。(笑)
Q Mさんを見ていると予防目的で来ているのかなと思うのですが?
A 家にばかりいたら認知症になっちゃうかな~とか。何となく、つまらない気持ちになっちゃう時もあるのよ。だから「今日はオレンジカフェがあるんだ‼行ってみよう‼」って。
Q オレンジカフェに来たことのない人に向けて伝えたいことはありますか?
A 私、伝えているのよ。だけどやっぱり「私はまだそういう場所に行く状況じゃない」って人が多いの。だからみんなに言っているのよ。認知症だから来ている人ばかりではないんだよって。誰だって忘れっぽくなるし。こういう場所で、色々としゃべれるところがいいんじゃないって。
■ご家族へインタビュー
Q 見守っている家族としてオレンジカフェの印象はどうですか?
A 本人が出かける場所があるのは、家族として助かる。幸いにも、本人が歩いて通うことができるので、オレンジカフェまで歩いて行って、そこでお話をしてという目的があるのが良いと思う。ボランティアの人も、とても慣れていて安心して通わせられる。
Q オレンジカフェの良いところを教えてください。
A 歩いて自分で通うってことも、本人にとって良いリハビリになっていると思う。
あと、本人の話を皆さんがしっかり聞いてくれる。時々学生さんが見学に来たりすることもあって、ボランティアの人や参加者の人を含めて、色んな世代の人と色んな話ができるのが魅力だと思う。ハピネス館のオレンジカフェにも参加していますが、そこは創作活動が中心で、それぞれの特色があるのも良いと思う。
Q オレンジカフェに来たことのない人に向けて伝えたいことはありますか?
A 認知症の有無に関係なく、「ただ家にいてテレビを見ていても暇だから、ちょっとカフェにいってみようかな」って気楽に来てみてもいいんじゃないかな。
Q 町に期待することがあれば教えてください。
A 運動をする場を増やしていくことが必要なのは良く分かるのですが、誰でも参加できて、気楽にお茶飲みできるようなスペースも、もっと増えると良いと思う。
■オレンジカフェに立ち寄って楽しくお話ししませんか?
町内には4つのオレンジカフェがあります。
■認知症ガイドブックを作成しました。
広報もろやま9月号と同時配布しましたので、こちらもぜひご覧ください。
■認知症特設コーナーを設置しています。
9月1日から30日までの期間、図書館に「認知症特設コーナー」を設けています。認知症について理解しやすい本の紹介をしていますので、ぜひご覧ください。
問合せ:
毛呂山町地域包括支援センター【電話】295-2112内線125・128
認知症疾患医療センター(丸木記念福祉メディカルセンター)【電話】276-1486