くらし 千葉のコレ知ってる?

■126 シリーズ「発酵県ちば」(3)
ちばのしょうゆ

大阪・関西万博
千葉県ブース
テーマ:「発酵」
8/27(水)〜30(土)出展予定

◇3種の微生物の共同作業
しょうゆの原料は蒸した大豆と炒(い)って砕いた小麦。ここに、こうじ菌を加えて「しょうゆこうじ」を作り、さらに食塩水を加えた「もろみ」を仕込みます。もろみはタンクで約半年間、発酵・熟成され、この間にこうじ菌が作り出した酵素や、乳酸菌、酵母がさまざまに働き、しょうゆ特有の味や香り、色が生み出されます。3種類の微生物がリレーのように順番に活躍することで、しょうゆが完成するのです。

◇生産量日本一になるまで
江戸時代初期は、関西から運ばれる「下(くだ)りしょうゆ」が江戸で主に消費されていました。しかし、利根川水運の発達、江戸の人口増加、濃口しょうゆを使ったそばやうなぎの人気などの要因が重なり、江戸時代中期になると、銚子や野田など下総(しもうさ)のしょうゆが江戸の主流になりました。
明治時代には、現在のヤマサ醤油(銚子市)、ヒゲタ醤油(銚子市)、キッコーマン(野田市)が宮内省御用達を賜り、品質の高さを世に知らしめました。
昭和に入ると、各社は「つゆ」や「たれ」などのしょうゆ加工品の生産にも力を入れていきます。また海外への販路も拡大し、今ではしょうゆはグローバルな調味料になりつつあります。
現在、千葉県のしょうゆ生産量は、全国シェアの約4割を占める断トツの第1位(令和5年)。県では、しょうゆを隠し味に使ったご当地グルメ「黒アヒージョ」の普及にも力を入れています。「ちばのしょうゆ」は、これからも皆さんの食卓を支え続けます。
(参考文献…県立房総のむら2024年「令和6年度企画展 地域に生きる醤油づくり」)