- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県香取市
- 広報紙名 : 広報かとり 令和7年6月号
■香取神宮の防災施設整備~最初で最後の一斉放水~
令和元年に発生したフランスのノートルダム寺院の火災や沖縄の首里城の火災を受けて、近年は文化財の防災・防火が注目されています。
そうした中で香取神宮では、令和8年4月の式年神幸祭に向けた事業の一環で、境内の防災施設整備事業を令和5年度から令和6年度にかけて実施しました。これまでは昭和51年度に設けた防災設備を使用してきましたが、約50年が経過し各所で老朽化が進んでいました。
今回の事業の主な内容は、経年劣化が進んだ設備を最新式に改めるものです。文化庁より令和3年に示された指針に基づき、動力消防ポンプの交換、炎感知器連動の自動放水銃、易操作式消火栓、境内配管の設置などを、国庫補助などを受けて行いました。令和6年度の上半期に配管設置のための掘削などを行ったので、参拝時に目にした人もいるのではないでしょうか。
自動放水銃の放水範囲は重要文化財の本殿(ほんでん)・楼門(ろうもん)のほか、本殿と一体の拝殿(はいでん)・幣殿(へいでん)・神饌所(しんせんじょ)を、計8基の放水銃がカバーします。また、近接する建造物を含めて消火栓で対応できるように想定されています。
令和7年1月30日に、設置した機器の動作確認などのため、自動放水銃の一斉放水試験を行いました。晴天の下で、写真の通り機器が十分に作動することが確認できました。放水による効果として、保護対象建造物を火災から守る他、周囲で火災があった際に延焼しないよう、あらかじめぬらして燃えにくくする効果も期待されます。
香取神宮には国宝の海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)や古神宝類などの美術工芸品、旧拝殿や勅使門(ちょくしもん)などの指定建造物が多数所在します。防災機器が作動するのは試験時のみであることを願うばかりです。また、炎感知器が新たに設けられましたので、参拝の際は境内での火気の使用をお控えいただくようお願いします。
問合せ:生涯学習課
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