- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県長生村
- 広報紙名 : 広報ちょうせい 令和7年10月号 No.564
地名には、暮らしや歴史、自然と深く関わる由来があります。
この特集では、地名に込められた意味や物語を紹介します。
地名を通して、ふるさとの魅力を再発見してみませんか。
■小泉(こいずみ)
旧太東村(現いすみ市)の和泉(いずみ)は、かつて出海という文字を使っていた。そこから考えてみると地形的に小泉も、もとは海に面した小村であって、小出海と書かれたのではなかろうかと考えられなくもない。小泉の西方にある入山津堰、小泉堰、七村堰などは、明らかに海や河川、沼沢の名残であるので、このような推測ができる。
また、用水路ができる以前の昭和の初め頃まで、西方に堰を持ちながら、水の便の非常に悪い土地であったため、雨乞いが行われていたことから、乞水(こいずみ)がなまって小泉になったとも推測ができる。
いずれにしろ小泉の泉が示すように、水に深い関係のある土地であ
■中之郷(なかのごう)
中之郷は旧中之郷村であり、その以前は天子丸(てごまる)と称していた。天子丸の北隣りに御殿山(ごてんやま)というところがある。天子丸と御殿山を併せて考えると、何か高貴なものに関係があったところではなかろうかとも推測される。
天子(てご)は、てんしに通じるので不敬に当たるとの理由から、明治4年(1871)1月、旧宮谷(みやざく)県より名称変更の指令が出された。天子は天皇を意味したものではなく、何かの訛りの当て字ではなかったろうか。
明治4年、中之郷となったのであるが、中之郷は南に高根本郷、北に北
出典:長生村地名物語(平成13年一部改定再版)