くらし 令和7年度 施政方針(1)

昨年は、日常生活が戻りつつある中、合併70周年記念事業として各団体等のご協力をいただく中で様々なイベントを開催し、町を盛り上げることができました。特に5年ぶりに開催した花火大会は天候にも恵まれ、町内外から多くの観光客が訪れ、会場が賑わいました。
また、2月11日に挙行いたしました記念式典にはご来賓の皆さまをはじめ、関係各位のご出席をいただき、70周年をお祝いすることができました。一方で原油価格の上昇に伴う物価高騰が今なお続いており、町民の皆さまの生活に大きな影響を及ぼしていることから昨年に引き続き国の交付金を活用し、町内の商店等で利用できる地域応援券を発行し町民の皆さまの生活の一助にしていただいたところです。
令和7年度も、住民に寄り添った行政サービスを推進してまいります。

(1)「社会基盤の充実したまち」
現在、施工中の庁舎周辺整備工事については、ユニバーサルデザインを採用した思いやり駐車場の導入や、イベント活用、災害時の使用にも配慮するなど、町民の皆さまの安心・安全を確保し、誰もが利用しやすい施設の整備を進めてまいります。
「地域活性化起業人制度」については、昨年度に引き続き、民間企業からデジタル人材を登用し、「長南町DX推進計画」を策定することで、デジタル技術の普及促進を図ってまいります。
マイナンバーカードについては、国がマイナ保険証やマイナ免許証等の施策を進めておりますが、安全・安心で利便性の高いデジタル社会の基盤であることから、定期的な周知などを通じて取得率の向上に努めてまいります。
町道については、交通安全対策を最優先に通学路の整備を促進し、その他の社会インフラにつきましては、長寿命化修繕計画等に基づき、適切な維持管理に努め、住民が安心で安全な生活を送れる生活基盤の維持を図ってまいります。
また、河川については、普通河川蔵持川において、流れを阻害する竹木の伐採等を実施し、家屋等の浸水被害防止対策に取組んでまいります。

(2)「活力と賑わいにあふれたまち」
移住・定住促進の取組みとして、近年普及している二拠点居住やリモートワークなど、移住希望者の受け皿を確保するため、空き家の有効活用を進めてまいります。
また、東京圏から本町に移住した者に対し、長南町UIJターンによる起業・就業者等創出事業移住支援金を、また、引続き「若者定住および三世代同居促進奨励金」を実施するとともに、新たに経済的理由で結婚に踏み出せない若年層の婚姻に伴う新生活を支援する「長南町結婚新生活支援補助金」を創設し、若年層の転入促進および流出抑制、三世代同居世帯の増加につなげてまいります。
企業誘致については、長南西部工業団地計画跡地、空港代替地といった遊休町有地や、耕作放棄地・空き地等の民有地の活用も視野に入れ、引き続き、国や県との連携を図りながら地域経済の活性化や雇用創出につながる企業誘致に取組んでまいります。
農林業の振興については、千葉県および本町を含む53市町村で策定した「千葉県環境負荷低減事業活動の促進に関する基本的な計画」に基づき、化学肥料・化学農薬の使用量低減や、温室効果ガスの排出量削減など環境への負荷低減の事業を促進すると共に、引続き、農地の集積・集約化、担い手の農地利用を促進し、スマート農業等を活用した作業の省力化や生産額の増加につながる施策を展開してまいります。
本町における地域農業の現状については、農業従事者の高齢化や後継者および担い手の不足、さらには肥料や飼料、資材価格などの物価高騰により、依然として厳しい状況が続いております。
このようなことから、地域内農用地の効率的かつ総合的な利用に関する目標を達成するために必要な具体的な取組について、農業委員会や県などの関係機関と地域の方々とで協議を行い、策定した「地域計画」を軸に、次世代を見据えた農業の推進に努めてまいります。
林業振興対策では、森林の持つ国土保全、水源涵養等の多面的機能を守るため、森林環境譲与税を財源とした、間伐や植栽などの森林整備や間伐材を利用した施設整備などの促進を図ってまいります。
有害獣対策については、国県の補助制度を活用した地域ぐるみの対策を推進するほか、実施隊などの捕獲従事者と共に、機材および配置の増強を行いながら、積極的に捕獲を行ってまいります。
商工業の振興では、商店等への事業継続支援など、地域に寄り添った伴走型の支援活動を実施し、経営改善指導や、資金融資に対する利子補給を行い、町全体の商工業活性化を支援してまいります。
観光分野では、町観光協会の各イベント事業を支援し、中房総地域など広域的な観点から、県、観光連盟、各協議会等と連携し、広域観光ルートの設定や、インバウンドの取組みを行うなど、新たな地域の魅力を発信してまいります。
農産物直売所につきましては、昨年度に引続き、地域振興と産業振興をベースに町民の憩いの場および温かい地域内外交流を目指した「基本計画の策定」に取組んでまいります。