健康 〔新連載〕健康を考える(1)

■〜加齢とともに健康感を高めよう〜
〔寄稿〕東京家政大学 客員教授 博士(医学) 清水順市

あなたは「健康であるか、それとも健康でないか」を何歳頃から思うようになりましたか?そして、自分の健康状態を知っていますか?

人にはそれぞれの個性があります。健康もそれぞれ違いがあります。
しかし、誰もが持っている各種機能は年代によって違いがあります。
身体機能(運動・生活機能)は20歳代〜30歳代がピークとなります。
一方、「考える、判断する」などの精神機能は60歳前後で最大機能を発揮します。(上図)
昔から、「困ったときには長老に意見を求める」ということが行われて来ました。70歳以上の人が社会の責任ある地位についていることも理解できます。
・60歳定年はもったいないですね!

◆こんなことはありませんか?
最近、「魚や肉を食べたいと思うことが少なくなった」「階段の昇り降りがたいへんである」「疲れやすくなった」「同じ姿勢を続けると身体のあちこちが痛くなる」「物忘れが多い」などはありませんか?これって「病気?」それとも「健康?」
これには以下の原因が考えられます。
1 バランスの取れた食事が摂れていない。食べた量にあったエネルギーを消費していない。
2 骨格筋(関節を動かす筋肉)の筋力低下と筋量の減少(サルコペニア)。
3 骨量の低下や関節周囲組織の変化による姿勢および体型の崩れ。
4 筋力低下や関節周囲の損傷による移動能力の低下(ロコモティブ症候群)。
5 記憶力、判断する速さ、気力等が低下している(認知機能の低下)。
6 「自分は年寄り(老人)だ」と思っている。
7 「年を取ると若い時のように何事もできない」と思っている(心理・社会的フレイル)。

◆では、どうしたらよいのか?
いずれの原因にも解決策は存在します。ただし、高齢者になると何らかの疾患を発症することが多いです。例えば、「血圧が高い状態が続く」、「血糖値が高い」、「コレステロール値が高い」、「骨が脆くなっている」「股関節や膝関節が痛い」などは適切な食事や適量の運動を実施することにより解決できることがあります。

この原因と解決策について毎月、皆さまにお伝えしていきます。