くらし 大多喜町 獣害対策新聞

令和7年1月24日【第7号】
大多喜町役場農林課農政係
地域おこし協力隊 渡邊未来

■今年は守りきれる田畑に!去年は荒らされてがっかり…でも
大多喜町では、農業はもちろん家庭菜園の文化も豊かです。旬の野菜を作るのは大きな楽しみの一つですが、侵入してきた動物に収穫前に食べ荒らされるとがっかりしてしまいます。どうせ獣にやられるから、もう作るのはあきらめた…という方も多いようです。
大多喜町では、宅地にも防護柵の補助金が費用の1/4・上限1.5万円まで出ます。農地の場合は防護柵(金網やネットなど)も適用でき、費用の1/3・上限3万円まで。キョンだけなら目の細かいネットを高さ1m程度はって下側を押さえる、アライグマなら網と電気の複合柵など色々方法があります。具体的な方法は地域の鳥獣被害対策実施隊員に相談してみましょう。

■柵の立て方、植え方工夫で作付面積減っても収穫量増加
守れる畑を作るには、いろいろな作戦があります。
(1)あぜ道や田畑のすぐそばに生えている収穫しないカキ・クリ・ウメ・グミ・ユズなどは誘因物になります。また柵におおいかぶさっている木の枝はサルや小動物の侵入経路になるため、できるだけ切ります。
(2)柵が既に立っているなら、作付け位置を柵から約2m空けます。こうすると外から鼻を伸ばしても届きません。
(3)これから柵を設置するなら、山側の斜面が終わる場所から2m空けて柵を立てます。こうすると斜面を利用してジャンプして侵入されることがありません。
(4)柵の近くにトウガラシやショウガなど動物があまり好まないものを植えることで、誘因力が低下します。その内側にかくすようにイモやマメ、果菜などを植えます。ツル性の野菜も内に植えることで柵にからみません。
(5)栽培面積が減った分、カボチャやスイカは立体栽培にして省スペースに。ナスやトマトも株数を減らして余裕をもたせます。
柵周辺に余白があると、柵の管理や草刈りが格段に楽になります。植える苗の数を減らしても、全部守り切れれば収穫量としてはアップします。手入れがラクになる工夫で、畑仕事を楽しみましょう。

■ご家庭でできる守れる畑の工夫
▽(1)柵が効かなければ複合柵に
ネットを張ってあるだけだと効かないなら、ネットの30cm手前に電柵を一段めぐらせて二重の柵にするのが有効です。サル・シカ用の7段電柵を4段に減らし、内側に高さ1mでネットを張る方が効くことも

▽(2)昔とくらべて面積をへらす
農業にかける人数が昔より減ったなら、そのぶん耕す面積を減らして、無理せず健康第一で

■町の捕獲状況
種類・R6年11月・前年同月:
・イノシシ…19頭/84頭
・シカ…55頭/53頭
・キョン…39頭/42頭
・サル…4頭/8頭
11/15~2/15は狩猟期間です。山の恵み豊かな大多喜町には、他の地域からもハンターが集まります。万一の事故にならないよう、山や森に行く際には明るい色の服装ででかけましょう。

獣害対策について知りたい情報や実施しているコツなどがありましたら、精査後こちらで記事にいたしますので、ぜひご意見をお寄せください。