- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都千代田区
- 広報紙名 : 広報千代田 令和8年(2026年)2月5日号No.1657
■学校給食の今昔
◇ベテラン栄養士のひとりごと
(学務課給食担当係長 落合さん)
昔は、欠席をした子のパンをクラスの子が自宅へ届けていました。揚げパンの始まりは、給食の調理師が、風邪で休んだ児童に栄養をつけてもらうため、パンを持って行くときに保存がきき、かつ作ってから時間が経過して硬くなったパンをおいしく食べてもらうため、油で揚げ砂糖をまぶすことを考案したとされています。私が献立を担当していた時代は、砂糖だけの揚げパン提供だったのですが、現在では、ココア・抹茶・シナモン・きな粉などバリエーション豊富な揚げパンが提供されています。
私が小学生の頃、給食を当番が給食室まで並んで取りに行き、教室まで運んでいました。そのときに高学年だけ大きなポットに入った温かい牛乳(後に脱脂粉乳と判明)を見て羨ましく思っていました(私たちは瓶牛乳)。区でも瓶での牛乳提供が長く続きましたが、牛乳の紙蓋をうまく開けられない児童のために、プラスチック棒の先に針の付いた蓋開け用道具の提供をしたり、紙蓋から樹脂キャップへ切り替わったりしました。現在は紙容器での提供となり、直接飲んでもこぼれにくい容器を使用しています。
好きな給食には、揚げパンやカレーライスが挙がり、多くの世代で人気がありました。私が給食を食べていた時代は鯨の竜田揚げやソフト麺が人気で、献立作成をしていたときはミートソース、焼きそば、ジャンボ餃子、唐揚げ、フルーツポンチなどが人気でした。卒業生に思い出の給食を尋ねたところ、わかめごはんやABCスープとの回答がありました。皆さんの思い出の給食メニューは何ですか?
■私たちの給食が出来るまで
給食が出来るまでの1日をのぞいてみましょう。
◇今日のメニュー
・ごはん
・ししゃものスパイス揚げ
・焼き肉サラダ
・生揚げとわかめのみそ汁
・牛乳
[START!]
01 納品
続々とやって来る食材を調理員さんが受け取り、入念にチェック。当日納品・当日調理を徹底し、鮮度の良い食材を使って安全でおいしい給食を提供しています。また、姉妹提携先である嬬恋村のキャベツなど関東近県のものも取り入れています。
02 下処理
大量の食材を洗ったり、皮をむいたりします。作業者ごとに使用するエプロンの色を分けて、異物やアレルギー物質の混入を防いでいます。また、給食室には手洗い場が9か所もあり、別作業に移るごとに手洗いを徹底しています。ラップは混入してもすぐに分かる青色のものを使用しています。
03 朝礼
給食作りでは、実際に食材を扱う7名の調理員さんとの連携がとても重要です。食缶や食器・食具の準備状況、アレルギー対応の確認を行い、変更点があればその場で共有します。全員が同じ認識で作業に入れるよう、丁寧な情報共有を心がけています。
04 調理チーフとのミーティング
事前に調理方法や作業の流れなど細かい打ち合わせを行います。調理中も、衛生管理や進行状況を確認しながら、必要に応じて調整を行っています。
05 調理
420人分を作るため、直径120cmの大きな鍋とひしゃくで調理しています。だし汁は、用途別に削り節、厚削り節、昆布、煮干し、鶏ガラなど、洋風のだしは鶏ガラと野菜のかすなどを2時間以上煮出して丁寧に抽出し、素材の味を生かした調理を心がけています。塩分にも配慮し、素材のうまみを生かした味付けを工夫することで、健康的でおいしい食事を目指しています。
「安心しておいしく食べられるよう、心を込めて作られています。」
06 味見andアレルギー確認and検食
味見のあとはアレルギー対応食の確認をします。アレルギー対応食では、皿の色が異なり、他の給食と混じらないように、個別で盛りつけを行っています。最後に校長先生が味や火の通りなどをチェックします。
07 完成…配缶・運搬
配缶表に従って配分し、各クラスの前まで運びます。アレルギーのある児童の給食は他と混じらないようにして、調理員さんから担任の先生へ手渡しされます。
「温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たく保ち、決められた時間に届けられます。」
08 給食の時間
お茶の水小学校では、和食・米飯給食の推進を図っており、週に3.5回以上の米飯を提供しています。主食の割合は、米3.5回、パン1回、麺0.5回が目安です。また、さまざまな食品を使用し、バランスの良い献立になるようにしています。
09 教室巡回指導
松本先生は各クラスを巡回しながら5分間指導(給食の時間に行う教育活動)を行います。手洗いや配膳の仕方、食器の並べ方や箸の使い方、食事のマナーなど、食事に関する基本的なことを子どもたちが身につけられるように指導しています。
「指導は担任の先生が中心となって行いますが、栄養士も参画し、学校全体で食育活動を進めています。」
10 残菜確認・洗浄
給食が終わると、各クラスから返ってきた残菜の計量や食器の洗浄が行われます。給食で残った食べ物は、大田区にある工場に運び、鳥や豚などの餌に生まれ変わります。ごみとして捨てずに、地球に優しいリサイクルをしています。
