スポーツ 東京2025デフリンピック[11月15日(土)~26日(水)](2)

■中央区出身のデフ卓球日本代表・灘光晋太郎(なだみつしんたろう)選手に話を伺いました
卓球競技日程:11月18日(火)〜24日(休)
会場:東京体育館(渋谷区千駄ヶ谷1-17-1)

Q:灘光選手の卓球との出会いはいつ頃でしたか
小学校時代はテニスをやっていましたが中学で入学したろう学校にはテニス部がなく、「テニスに(動きが)近い」という理由で卓球部に入ることに。そのため、競技をスタートする時期としては遅いほうでした。デフリンピックの存在を初めて知ったのは、中・高校通しての同級生が出場することを知ったときです。彼は水泳選手で、デフリンピック初出場で金メダルを獲得しました。それ以来、「自分も目指したい!」と思うようになりました。

Q:出身は中央区だそうですね
生まれも育ちも中央区です。他の地域に住んだことはありません。それだけに自分は「日本代表」であると同時に「中央区の代表」という意識が強いです。現在、太平電業という会社に所属しており、午前中は仕事、午後に練習をこなす日々です。これまでの戦績は、2021年のデフリンピック・ブラジル大会で銅メダル(男子団体戦)。国内大会では全日本ろうあ者卓球選手権で2度(2023・2024年)の優勝を経験しました。初優勝は29歳の時なので、他の選手と比較して結果が出るのが遅かったのですが、粘り強く競技を続けてきた成果だと自負しています。

Q:デフ卓球と通常の卓球の違いや、ご自身の強みはどんなところですか
狭い空間の中でボールに強い回転を掛けて打ち合う卓球で「音」は重要な情報。健聴者なら「音」からも次を予想し、準備できるが、私たちデフ卓球の選手はそれが難しい。ほぼ目だけで(相手の動きや球筋などの)情報をとり判断します。これがデフ卓球の難しい点です。私が得意なのはサーブ。サーブに強い回転を掛けることで、相手が反応しにくい球になります。その技術が自分の強みだと思っているので東京2025デフリンピックではぜひ、サーブに注目して観戦してほしいですね。

Q:普段はどのように過ごしていますか
アスリートは長期間安定したパフォーマンスが求められます。自分はつい練習し過ぎる傾向があるので、ストレッチやマッサージなど、けがの防止を含めて身体のケアには人一倍気を使っています。普段のリフレッシュ法は、家でゲームすることや温泉に出掛けることです。区外から友人・知人が遊びに来た際には以前は住んでいた月島の、“もんじゃ通り”にあるお店でおいしいもんじゃを焼いてふるまうこともあります(笑)。

Q:今大会の抱負を教えてください
もちろん、金メダルを取ることです。とはいえ、それは他の選手も同じこと。良い成績が残せるかは分かりません。ただ今回は日本での開催です。見に来てくれる方々に「来て良かった」と思っていただけるような記憶に残る試合がしたいですね。地元、中央区の皆さんのもとにメダルを持ち帰れるよう頑張りたいと思います。会場の東京体育館へもぜひ、足を運んでいただけたらうれしいです!
「得意技はサーブ。強い回転を掛けた自慢のサーブに注目して観戦して欲しいです」

■第25回 夏季デフリンピック競技大会 東京2025 開催概要
開催日程:大会期間2025年11月15日(土)~26日(水)(12日間)
競技種目:陸上競技、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車(ロード・マウンテンバイク)、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル・グレコローマン) 全21競技

○会場で応援しよう!無料で観戦
東京2025デフリンピックは、事前申し込みをすることなく、どなたでも無料で観戦できます!
デフスポーツならではの魅力をじかに感じられるチャンスです。ぜひ、選手の活躍を現地で応援しましょう!!
◎射撃は観戦できません。
詳しくは東京2025デフリンピック【HP】へ

■Column 手話言語で会話したり、応援してみよう!
手話言語を覚えて、会話をしたり、デフアスリートの活躍を応援したりしませんか?
※詳細は本紙をご覧ください。
○こんにちは
人さし指と中指を立て、眉間に当て、次に両手の人さし指を向かい合わせてお辞儀をするように折り曲げる。

○がんばれ!
両手で拳をつくり、2回下におろす。

○新しい応援スタイル「サインエール」
きこえる、きこえないにかかわらず、全ての人がデフアスリートに想いを届けられるよう、手話言語などをベースに創られた応援方法です。
サインエールについて詳しくはTOKYO FORWARD 2025【HP】へ