くらし めぐろで活躍する人を紹介「ひとめぐり」vol.47

目黒の子どもたちに、笑顔の風船を届けたいです

碑文谷風船団代表
門司隆明(もんじたかあき)さん(57歳)

バルーンアートで地域活性化を目指す団体「碑文谷風船団」の代表。建設コンサルティングに従事する傍ら、休日を利用してボランティア活動を行っている。地域行事での風船配布のほか、風船教室やイベント会場の飾りつけなど、その活動内容は多岐にわたる。

■世代を超えてつなぐ地域への思い
碑文谷風船団としてボランティア歴10年目を迎えた門司さん。きっかけは、夏休みに子どもと行ったラジオ体操だったと言います。「私の子ども時代に指導員をしていたおじさんが、まだ現役だったんです。あれは衝撃でしたね。同時に、自分も前に立ってもっと地域を盛り上げなくてはと思いました」。その後、大岡山東住区住民会議の実行委員を務め、その中で風船づくりを通して地域活性化に尽力した先生こと、寺西さんと出会います。「先生に触発され、自分も地元のために貢献したいと思ったのが風船団の始まりです」

■たかが風船、されど風船
「風船団といっても、我々はバルーンアーティストではありません。ただ作って渡すのではなく、その中で交わすコミュニケーションを大切にしています。まっすぐ長い風船が犬になったり、種から芽が出てお花になったり。会話しながら作っていると、子どもたちからよく『やってみたい』という声が聞こえます。彼らの笑顔や好奇心を生み出せるのは、とてもうれしいことですね」。
そんな門司さん、子どもたちと関わる中で、自分から「ありがとう」と言える子が少なくなったと感じるそう。「風船を渡す時に『何か言うことないかな』と声をかけることもあります。やっぱり自分が育った地域には、お礼の言える子が増えてほしいですから。あいさつでも感謝でも、当たり前の大切さがきちんと届くといいなと思います」

■みんなの笑顔に出会えるから、風に任せてどこまでも
立ち上げ当初は、3人でスタートした碑文谷風船団。今ではメンバーも増え、社会人として現役を終えたかたから大学生まで、さまざまな年代、立場の人が一緒に活動しています。「チラシやTシャツのデザインをしてくれたり、SNSで情報を発信したりと、それぞれが主体的に関わってくれるので感謝しています。ただ、私たちのポリシーはあくまでも無理しないこと。我々が楽しんでやっていれば、風船が相手を笑顔にしてくれるんです」。そう語る門司さんが目指すのは、子どもたちが心豊かに成長できる地域づくり。「風船団の名前には、『ふわふわと碑文谷の風に漂いながら、航海に出る船団』という意味を込めました。どこに行くかは風任せ。行った先々で子どもたちの思い出やみんなの笑顔が広がっていくといいなと思っています」