- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都渋谷区
- 広報紙名 : しぶや区ニュース 令和7年(2025年)6月1日号
◆菜園・花壇をきっかけに広がる地域の輪
◇学校菜園ではどのような野菜を育てていますか?
佐々木:理科の授業で使うもの、成長が早いものを中心に、大豆やキャベツ、ジャガイモ、大根、ラディッシュ、大葉などを育てています。キャベツが豊作だった時には、地域の飲食店にご協力いただき、サラダにしてイベントなどで皆さんに提供しました。
荒島:苗ではなく種から育てるため、失敗することもあります。特に、ニンジンやキュウリは難しかったですね。一方、大根は比較的育てやすく、100本以上収穫できた年もありました。
◇活動に参加する子どもたちの反応はいかがですか?
佐々木:活動を始めたばかりの頃は参加者が少なかったのですが、今では学校全体に活動が知れ渡り、活動日には「土を掘りたい!」「種まきしたい!」「虫を捕りたい!」と多くの子どもたちが集まってくれるようになりました。また、収穫した野菜を使った給食は、喜んで残さず食べてくれます。
荒島:学校で「幡代小学校の自慢したいこと」についてのアンケートを行なったところ、「つながる菜園」が1位に選ばれました。子どもたちが楽しんでくれていることを実感できて、とてもうれしかったです。
◇印象に残っている出来事を教えてください。
佐々木:プロジェクト当初から、菜園を子どもたちの居場所にするだけでなく、学習にも生かしたいと考えていました。ありがたいことに昨年度から5・6年生の理科の授業で、学校菜園で学習する時間が新設されました。ヘチマやジャガイモを子どもたちと一緒に植えて成長を観察しながら、5年生はおしべやめしべ、6年生は光合成について学んでいます。学校菜園が授業でも活用されるようになり、活動がどんどん広がっていることを感じています。
荒島:学校菜園と並行して、月1回、初台第二児童遊園地で地域住民が主体となり、自治体の支援を受けながら維持・管理を行う自主管理花壇「つながるガーデン」の活動を実施しています。活動後はお茶会を開催して、一緒にコーヒーを飲むのが恒例です。活動を始めてからは、街中で声をかけられたり、子どもの学校行事であいさつされたりと、地域のつながりが広がっていくのを実感しています。
◆将来は誰もがいつでも気軽に交流できるカフェを開きたい
◇将来の展望や目標を教えてください。
荒島:初台緑道付近に地域のコミュニティーの場として、カフェのようなお店をオープンしたいという夢があります。私も佐々木さんもコーヒーが好きなので、子どもから高齢者まで、誰もが飲み物を片手に気軽に交流できる場をつくりたいと思っています。
佐々木:これからも、積極的に地域の飲食店と連携し、子どもたちが育てた野菜を使った料理やお菓子をイベントなどで提供する機会をもっと増やしていきたいです。
◇今後の活動予定を教えてください。
佐々木:7月13日に開催される「初台地区ふれあいまつり」で、学校菜園や「つながるガーデン」の活動を紹介する写真の展示と、収穫した野菜やハーブを使った焼き菓子とドリンクの提供を行います。ぜひ、遊びに来てください!また、毎月開催している「つながるガーデン」の活動日は、菜園の外にある黒板や「つながる菜園」のInstagramでお知らせしています。興味がある人はぜひ、気軽に参加してください。
◇区民の皆さんにメッセージをお願いします。
荒島:渋谷区に住み始めて17年経ち、大都会なのに緑が豊かで、子どもから高齢者まで幅広い世代の皆さんがつながりを大切にしながら暮らしているこの初台という地域がとても好きになりました。これからも「つながる菜園」を通じて、地域の皆さんとつながりながら活動を続けていきたいです。
佐々木:土に触れ、地域の皆さんと交流しながら、心も体もリフレッシュできます。この楽しさをぜひ、一緒に体感できたらうれしいです!
≪「渋谷のラジオ」で放送中!≫
佐々木さん、荒島さんへのインタビューは6月3・10日に「渋谷の星」で放送します
■つながる菜園プロジェクト
つながる菜園プロジェクト(以下「つながる菜園」)は、笹塚・幡ヶ谷・初台駅周辺(ササハタハツ)エリアの小学校に菜園をつくり、「全ての子どもたちにとって平等な居場所づくり」と「地域のコミュニティーづくり」を目指すプロジェクトです。令和3年にスタートし、現在は幡代小学校内に学校菜園を設け、週1回、子どもたちと一緒に土作りから種まき、収穫までを行なっています。収穫した野菜は、理科の授業に取り入れたり、給食の食材として活用したりすることで、食と教育の連携を図っています。また月1回、幡代小学校向かいにある初台第二児童遊園地の花壇では、近隣住民参加型の花壇整備やお茶会などを行う「つながるガーデン」を実施しています。