その他 第2回区議会定例会区長招集あいさつ (1)

令和7年6月25日、高際区長が行った、招集あいさつの抜粋・要約です。
1.新体制3年目のスタートにあたり
(1)新たな基本構想・基本計画
区長就任から3年目を迎えた今年度は、多くの方々と共につくりあげた、「基本構想・基本計画」と一緒にスタートをきることができました。新たな「基本構想・基本計画」をわかりやすくまとめたミニブックを活用し、基本構想の理念やまちづくりの方向性を共有するとともに、策定に携わっていただいた皆様の熱い思いも一緒にお届けしていきます。私自身が先頭に立ちながら、管理職から若手職員までが一丸となって、区民の皆様とまちの将来像を共有し、「出会いと笑顔が咲きほこる、憧れのまち」の実現に向け取り組んでまいります。
(2)企業提案制度の創設
区民の皆様の声を区政に反映したいという思いからスタートした「区民提案制度」も、3年目を迎えています。今回は、「多様性の尊重・多文化共生」、「こころと体の健康づくり」をテーマとしており、65件の応募が寄せられました。今年度は、この2年間進めてきた「公民連携」を、さらに一歩前進させるため、「企業等による事業提案制度」を導入することとし、令和7年7月1日から募集を開始します。「企業提案制度」は、豊島区をより良くしたいと考える区内外の企業・団体が、それぞれの事業実績や、民間ならではの柔軟な発想・専門性・ノウハウを活用して、主体的に取り組む活動を支援する、区独自の新たなチャレンジです。多くの企業・団体より、多様な観点からのご提案をお待ちしています。
(3)区ホームページのリニューアル
令和7年6月2日に、区ホームページを10年ぶりに全面リニューアルしました。区民の皆様が求める情報にスムーズに辿りつけるよう、利便性の高さを追求し、スマートフォンで見やすいシンプルなデザインに一新し、AIによる検索・要約機能を導入しました。9月には、「LINEを活用したオンライン申請等プラットフォーム」の運用を開始します。区公式LINE上から直接、行政手続きやイベントの予約ができるようになり、「セグメント配信」や、様々なアンケート調査を実施することで、「双方向による情報コミュニケーション」を強化していきます。

2.物価高騰対策
(1)食料支援
食料品などの値上がりが続く中、大型連休前の令和7年4月29・30日に、ひとり親家庭など305世帯の皆様に、食料品や生理用品などを配付しました。配付に際しては、「チームとしま」をはじめとする企業・団体の皆様から、多数の食料品をご提供いただき、心からの感謝とともに、基本構想の理念に掲げる「協働」、「連携」の大切さを痛感しました。食料支援を望む声が寄せられたことを踏まえ、本定例会では、生活に困窮されている子育て世帯に対する様々な食料支援策を補正予算案に計上します。
まず、子どものいる非課税世帯を対象に、夏休み期間中のご家庭での食費負担を軽減するため、「おこめ券」10枚(4,400円分)を配付します。加えて、子ども食堂や、様々な困難を抱える若者に対する支援をしている団体に対し、補助上限額の引き上げや食材費の一部補助などの緊急的支援を行います。
学校給食については、食材費高騰の影響が大きいことから、さらに約3%の引き上げを行います。7月の献立から反映できるよう、スピード重視で進めます。高齢者の交流の場となっている「高齢者のための誰でも食堂」も、子ども食堂と同様、団体に対する助成額の拡充を行います。
(2)福祉事業所等への補助
地域密着型の介護サービス事業所や私立幼稚園などにおいて、区民サービスが質を落とすことなく提供されるよう、区独自の支援策として、光熱費や食材費など、物価の影響を大きく受ける費用の一部を補正予算案に計上しています。

3.暑さ対策
(1)熱中症の注意喚起・エアコン設置助成
本区では、令和7年4月に熱中症対策本部を立ち上げ、区民ひろばなど、区内43か所の「としま涼みどころ」のほか、豊島区薬剤師会のご協力により、34か所の「涼みどころ薬局」と連携するなど、暑さ対策に取り組んでいます。今年は、「涼みどころ」の開設場所が地図上で確認できる、「TOKYOクールシェアスポットマップ」を、区ホームページなどで周知します。さらに、区内すべての高齢者総合相談センターで、見守り支援担当者の増員経費を補正予算案に計上しました。アウトリーチ体制を強化し、区内全域で熱中症に対する注意喚起を徹底します。
また、6月2日から、住民税非課税かつ75歳以上の高齢者のみ世帯および生活保護世帯を対象とした「エアコン設置助成」の受付を開始しました。今年度は、設置費を含めた価格上昇を踏まえ、助成額を8万円から10万円に増額しています。近年の暑さは、命に関わる状況です。必要なかたへ支援が行き届くよう、民生委員・児童委員の皆様などと連携し、呼びかけを進めます。
(2)学校プールの遮熱対策
令和7年3月に策定した「豊島区学習環境整備計画」に基づき、屋外の学校プールに日陰を作る遮熱シートの設置を進めています。水泳指導が本格化する時期を見据え、6月上旬までに8校の設置が完了しました。来年度設置予定の学校においても計画の前倒しなど、対応を加速化していきます。また、今年度初めて全小学校で、民間の水泳指導員による教員向けの水泳指導研修を行いました。これまで以上に安全で教育効果の高い水泳授業を実施しています。

4.安全・安心、防犯対策
(1)子どもたちの安全・安心
令和7年5月に立川市の小学校で発生した不法侵入事件を受け、全ての区立幼稚園・小中学校に対し、安全確保に関する注意喚起を直ちに行いました。本区では、令和元年度までに全ての区立幼稚園・小中学校でインターホンや防犯カメラ、非常通報装置を導入し、今年の夏休み期間中に電子錠の導入が完了します。併せて、全校で警察と連携した不審者対応訓練を実施するなど、ハードとソフトの両面から安全対策を徹底します。
(2)防犯機器助成
近年、特殊詐欺による被害が、若者から高齢者まで全年齢層に広がっており、「トクリュウ」による強盗事件も、多数発生しています。これまでも、警察と連携し、SNSなどを活用した特殊詐欺の犯行手口や被害防止対策の情報発信、自動通話録音機の無償貸与、街頭防犯カメラ設置の補助事業などに取り組んできました。さらに、令和7年8月から、東京都が開始する家庭用防犯カメラやカメラ付きインターホン、防犯フィルムなどの購入費助成に、区独自の上乗せを行う「防犯機器等購入緊急補助事業」を開始し、安全・安心なまちの実現、特殊詐欺被害の防止に向け、取組みを強化します。