- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都国立市
- 広報紙名 : 市報くにたち 令和7年9月20日号(第1398号)
◆ピンクリボン月間にちなみ、がんにり患した方に、お話を聞きました
がんになってもその後の人生を生きていく、私たちの身近な病気になった「がん」について、考えてみませんか。
◇乳がんにり患したAさん
やりたいことは後回しにしない。昔やっていたスポーツをすることが目標です
いつも決まった方向で寝ていたのを反対側に向いて寝たときに胸に当たるものがあり、気が付きました。自分の体を過信していたのです。
すぐに保健センターに相談、病院を紹介してもらい、約1カ月後には治療を開始することができました。今までやっていたスポーツもできなくなり、周りにどう伝えたら良いのかなど考えましたが、職場の理解が得られ、仕事を続けられたことで頑張れました。
今、治療の影響で骨密度が落ちてしまい、少しでも回復を早めるため歩いています。
また、やりたいことは後回しにしないようにしようと思うようにもなりました。今思えば元気だったため、体調管理を怠っていたと思います。「定期検診などで自分の体を把握していれば」と。まだ道のりは長いですが、以前やっていたスポーツがしたいという目標があります。相手を尊重しながら相談し合う場、病気後でも筋力をつけるためのトレーニングができる場を見つけて、一緒に頑張ることができればいいなと思っています。
◇大腸がんにり患したBさん
病院内の患者サロンを立ち上げ。生きるということについて考えるようになりました
自分が「がん」になるとは全く予測していなく、とにかく驚きました。「なんで私が」と。ずっと、お腹の調子が悪く、原因がわからずにいましたが、何件か病院に受診して大腸内視鏡検査で見つかりました。
治療が始まってからは、抗がん剤による副作用が強かったので、身体的にも精神的にも辛く、落ちこみました。
都内にあったがん患者の集まりに参加して、すごく心が穏やかになりましたが、病気が重くなると、この集いには行けなくなるということに気がつき、それからは闘病中の症状が重い人も参加できる集いが、身近な病院の中にあったらと強く思うようになりました。
その後、病院のケースワーカーさんと知り合うことができ、患者サロンを立ち上げ、今は同じ病気を持つ多くの方の憩いの場となっています。
私は、がんになったことで、生きるということや本来のあり方についていろいろ考えるようになりました。
◇乳がんにり患したCさん
同じ仲間ができてからは気持ちが安定。ボランティアで社会復帰を果たしました
乳腺症の受診を中断していて、その後しばらくしてから、もしかしたらと再度病院を受診し、がんが見つかりました。
治療が始まると初期の段階からだるさが強く、手術後も気分的に落ち込んでいました。
そんな時に病院の患者サロンに通い始め、「自分だけどうして」って思っていましたが、知りたい情報についてのアドバイスをもらい、「闘病は大変なことだけど落ち込むだけ落ち込むと、浮き上がるしかない」など、すぐ隣にいる方の声にはとても励まされました。
乳がんに向き合うということは、長い時間が必要でしたが、同じ仲間ができてからは気持ちも安定し、自分から家族や親しい人に「今こんな具合です」と伝えることもできるようになりました。現在は、ボランティアで社会復帰し、人の話を聞くことがとても大切なことだと思えるようになりました。