くらし 八盛隊が聞く!第2回

■12年の眠りから目覚めた学び舎「八丈島の海・山・暮らし館」誕生!
八丈島で最初に開かれた公立小学校、末吉小学校。明治5年の開校から141年もの間、地域の子どもたちを育て、見守ってきた学び舎です。
しかし2013年、惜しまれながらもその歴史に幕を下ろしました。そして今年、12年の沈黙を破り、末小は島の未来に向けて“第二の人生”を歩み始めます。
この場所に込められた地域の想いとは?末吉自治会会長浅沼幸友(あさぬま ゆきとも)さんに伺いました。

▽閉校という現実、残った悔しさ
閉校の決定は受け入れました。でも校舎はまだ新しかったんです。「本当にもったいないな」って。悔しい気持ちが残ったのは正直なところです。(幸友さん)

▽「きっと、いつか…」地域の静かな情熱
校舎は「多目的交流施設」として利用されましたが、年月とともに使われる機会は減少。
そして追い打ちをかけるように訪れたコロナ禍。地域活動が大幅に制限される中、それでも「この場所を活かしたい」という声は、細く、でも確かに生き続けていました。
心に残っていたのは、閉校記念誌に載った当時の阿部勇知校長の寄稿でした。その一節を紹介します。(幸友さん)

「これから末吉小学校は、島の発展のための新しい使命を受けるまで、暫しの休息に入ります。その新しい使命に対応できる力を蓄えながら…」
あの言葉が忘れられませんでした。まさに今、この瞬間のことを言っていたんだと。
22年間の“雌伏”を経て、末小は使命を受けて動き出したんです。(幸友さん)

▽坂上はひとつ
新たに開業する「八丈島の海・山・暮らし館」は、末吉発の情報拠点。
地域住民と訪れる人とが出会い、語らう場所を目指しています。
みはらしの湯を核に、点ではなく線にして、坂上エリア全体が一体感をもって動けたら。この場所から、末吉、そして坂上の魅力を広く発信していけると良いですね。(幸友さん)

■編集後記
長く眠っていた校舎が、ふたたび人を迎える場所としてよみがえるー。
これは単なる施設の再活用ではなく、地域の記憶と情熱が“かたち”になった物語だと感じました。
「八丈島の海・山・暮らし館」へぜひお出かけください。かつての教室が、あなたに新しい発見を語りかけてくれるはずです。

■八丈島の海・山・暮らし館
住所:末吉2648
電話:【電話】8-0302
開館時間:10:00~17:00
休館日:火曜日
入館料:島民100円、島外500円

問い合わせ:企画財政課企画係
【電話】2-1120