- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県逗子市
- 広報紙名 : 広報ずし 2025年6月号
■逗子が目指す新しい地域医療
現状の課題を整理し、今後、市が目指していく新しい地域医療の方針を策定します。
●社会環境や医療技術、市民のニーズに合わせた新しい地域医療への方針転換
桐ケ谷市長
社会環境や医療技術の変化により、在宅や診療所での高度な医療提供が可能になりました。病院や診療所の連携も進んでいます。
一方、市では総合的病院の誘致に長い期間取り組んできました。しかし現在、設置される可能性が高いとは言い難い状況にあります。また総合的病院誘致を優先していたため、市として地域医療という視点での検討を行えていませんでした。
こうしたことから、地域医療に対する市民のニーズや課題に向き合い、目指す姿や解決していくべき課題を関係者や市民と共有するための方針案を作成しました。課題の中には解決の糸口が見えていないものや、行政だけでは解決できないものもあります。皆さんの意見をいただきながら、安心して暮らしていける逗子の地域医療に向けて取り組んでまいります。
●総合的病院誘致について
市では、集中的に医療の介入が必要な急性期の治療に対応できる、総合的病院の誘致に取り組んできました。1984年から誘致計画を立ち上げては断念してきましたが、40年で変化した社会環境や病院の役割分担を踏まえると、実現は難しい状況になっています。
(1)社会構造の変化
出生数の低下が続き、人口は減少傾向にあります。就業者が減少する中、新たに総合的病院を開設し継続していくための医療職種の人材確保は困難です。
(2)希望する病床の設置が困難
総合的病院の開設にあたって機能に応じた病床の割り当てが必要です。本市が含まれる医療圏での高度急性期・急性期の合計病床数は、県が定める必要病床数を超えており、設置が見込めません。
▽横須賀・三浦二次医療圏における病床の状況(単位:床)
※県ホームページ・令和6年度第1回三浦半島地区保健医療福祉推進会議資料より作成
■逗子の地域医療の方針案
これまでに市で開催したシンポジウムや検討会での意見を受け、取り組んでいく課題を整理しました。
●市民の不安の声
・夜中に子どもの体調が悪化。どうすればいいの?
・自分の病気に合った専門医は市内にいるの?
・医療や介護にまたがる相談。どこに行けばいいの?
・大きな病院が逗子にはないけれど、災害時は大丈夫?
●逗子が取り組む地域医療の課題
▽子どもの診療体制
夜間や休日の小児科診療の不安解消、受診者と医療機関それぞれの課題の把握など
▽相談窓口や情報発信
総合的な相談窓口の充実、市民に分かりやすい情報発信など
▽災害時などの対応
災害時の医療体制として医療救護所の設置、新たな感染症などが発生したときの対応など
さらに、市民が安心して医療を受けられるために、次の事柄などについても検討していきます。
・在宅医療の現状把握と介護との連携
・医療資源の現状調査と将来に向けた分析
■意見を募集します
市では、新たな地域医療の方針を策定し、できることから取り組んでいきます。またこの方針に基づき、「逗子市に総合的機能を有する病院の誘致を促進する条例」の廃止を予定しています。市民説明会やパブリックコメントで、市民の皆さんの意見を聞かせてください。
*パブリックコメントは広報ずし7月号に掲載予定
●市民説明会
逗子の地域医療の方針案について、市長も出席する市民説明会を開催します。
日時:
(1)6月13日(金)18:00~
(2)6月14日(土)10:00~
場所:
(1)市役所会議室・オンライン
(2)市役所会議室
*(2)は託児あり
*託児・手話通訳・要約筆記は6月4日12:00まで、(1)のオンラインは6月9日までに申し込みが必要です。申込方法は、市ホームページを確認してください。
問い合わせ先:国保健康課
【ホームページ番号】1012746