- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県逗子市
- 広報紙名 : 広報ずし 2025年8月号
身の回りの人々や地域の環境、そして自分自身を信じ認めて前向きに生きる市民に、このまちで生きる意味を聞きました。
■誇りを持って地域の安全を守りたい
逗子市消防団長 矢島 明さん(沼間)
地域住民の有志で構成され、火災や台風などの災害時に出動する消防団。市内に9つある分団をまとめる消防団長の矢島さんは、入団から40年経つ消防団のエキスパートだ。
●想像を超えた火災現場での活躍
父は消防団員だったが、自身は消防団に興味がなかったという矢島さん。ある日、火災発生と消防団招集を告げるサイレンが鳴り響いた。煙が上がる場所に知人宅があり、心配になって現場へ。そこで、裏側の崖からホースを引き上げて消火活動を行う消防団の活躍を目の当たりにした。普段とは違う、分団員の勇ましい姿に驚いたそうだ。「手伝え!」とホースを渡された矢島さんも消火活動に参加。「現場を体験して消火の大変さを知った。火は消さないと燃え広がると実感しました」。
その後、消防団に入団しないかと声が掛かり、1985年4月、沼間地区の第3分団に入団した。
●先輩から継承され、皆で磨く技術
入団後は、消火用ホースや消防車の使い方、敬礼や号令の掛け方など、先輩から基礎をたたき込まれた。「訓練後は、振り返りをしっかり行いました。皆、地元をよく知っているからこそ、消火活動などについて工夫しながら取り組める。面白いし、やりがいがあった」と振り返る。
2006年からは4年間、分団長を務めた。その中で、技術などを競う操法大会に第3分団が出場することに。「大会に向けた訓練では、一生懸命がゆえに口げんかが始まったり、分裂しそうになったり。団員それぞれの個性が強く、一つにまとめるのが大変で。大会当日は会場に着いただけで込み上げるものがあり、本番前の挨拶では安どと達成感から涙があふれ言葉にならなかった」と笑う。
●自分の力を発揮できる場所
訓練や現場などで普段できない体験ができるのが消防団の良さと話す。「皆で目標に向け活動し、成し遂げた時の達成感はたまらない。一人一人が個性を生かし、自分の力を発揮できる場所。それが消防団です」。
*18ページに消防団員募集について掲載しています。