- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県箱根町
- 広報紙名 : 広報はこね 令和7年10月号
■自尊感情を育む
自尊感情は、自分自身を基本的にかけがえのない価値ある存在とする感情であり、学習意欲の向上や良好な人間関係を築こうとする源となります。自尊感情の豊かな子どもは、自他への信頼感をもち、自分を尊重すると同時に、他者を尊重することができます。自尊感情は、生涯に渡って大きな影響を及ぼすと考えられており、家庭、地域、学校が連携して育んでいくことが求められています。
自尊感情は、「社会的自尊感情」と「基本的自尊感情」の二種類があり、この組み合わせによって成り立っていると言われます。
社会的自尊感情は、他者からほめられたり、認められたり、成功体験を積んだりすることによって高まる感情です。これは、周囲から認められることで風船のように大きくふくらみますが、失敗したり、叱られたりすると、すぐにしぼむ不安定な特徴があります。
基本的自尊感情は、自分の存在自体を無条件に肯定できるような自尊感情のことを指します。他人と比べなくても自分を自分のままで肯定でき、失敗したとしても、簡単には揺らぐことがありません。基本的自尊感情は、身近にいる信頼する人との体験と感情の共有を繰り返すことによって、少しずつゆっくりと、薄紙を糊付けしながら重ねていくようにして形成され、しっかり固まると容易には崩れない程、強くなります。社会的自尊感情を支える役割を果たし、人生における挫折や困難を乗り切る原動力になる感情とも言えます。
自尊感情は、「基本的自尊感情」と「社会的自尊感情」の両方がバランスよく育まれることが大切です。
最近多くみられるタイプは、基本的自尊感情が低いのに、社会的自尊感情が肥大化したタイプの子どもです。自尊感情全体は大きく、頑張り屋の良い子なので、周りの大人から「この子は大丈夫」と思われがちですが、そんな子が失敗したり叱られたりすると自尊感情の風船は、途端にしぼんでしまったり、頑張りすぎて破裂してしまったりします。
認めたり、ほめたりして高まるのは、自尊感情の一部分にすぎません。基本的自尊感情も育んでいけるように、子ども達と、体験と感情の共有をたくさんしていきたいですね。
照会先:
・教育委員会生涯学習課
【電話】85-7601
・箱根町教育相談センター
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