- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県長岡市
- 広報紙名 : 長岡市政だより 令和7年8月号
開学以来、地域に根差した研究と人材育成に取り組んできた長岡技術科学大学。魅力ある地域づくりや地域産業の活性化、新技術・製品の開発など、社会課題の解決に向け市や関係機関と連携しながら、常に最先端を走り続けています。
『地域との共創拠点へ 新たな研究棟が誕生』
キャンパス内に7月、新たに2つの研究棟が完成しました。施設では、資源とエネルギーの循環に関する、世界でここでしかできない実証試験や、ものづくり技術の開発・研究などを展開。県内外の大学や企業などとも連携しながら、研究成果の社会実装と人材育成を加速させます。
技大の研究力を最大限に活かすため、これまで以上に市内の産学官連携を強化し、地域・産業の活性化につなげます。
◆エネルギー・バイオの研究力向上
リージョナルGX※イノベーション共創センター
もみ殻などの資源の有効活用や、太陽光・風力発電、雪を活用した空調システムなど、資源とエネルギーの循環に関する最先端の研究開発を行います。地域に密着した取り組みとして、市内の農家と協力して微生物堆肥の開発を行っています。
※GX(グリーントランスフォーメーション)
化石燃料をできるだけ使わず、太陽光などのクリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のこと
米の鮮度を保ち、おいしさを向上させると言われる雪室の仕組みも科学的に解明していきます
◆技術開発を力強く後押し DXR※ものづくりオープンイノベーションセンター
国際的にも競争力を持つ新潟県の「ものづくり」の技術を科学的に解明し、高度化。ものづくり技術の教育研究を行うとともに、産学官連携による技術開発、人材育成、スタートアップ支援などにも取り組みます。
また、「DXRものづくりプラットフォーム」を設立。最新鋭の機器などを活用し、企業の部品や材料の開発をサポートします。
※DXR
DX(デジタル連携)とXR(現実と仮想世界の融合技術)を組み合わせた造語
金属や樹脂で複雑な構造の一体造形ができる3Dプリンターなどの機器を設置
◆GX棟見学会
雪室貯蔵米や発酵食品の試食、専門家による講義など、「発酵とお米」をテーマに子どもから大人まで楽しく学べます。
期日:9月14日(日)
対象・時間:
(1)小学3年生以上と保護者…午前10時30分~11時30分
(2)一般…午後1時~2時
定員:(1)10組〔抽選〕(1組3人まで)(2)20人〔抽選〕
申し込み:8月19日(火)まで
○技大祭にもぜひお越しを♪
日時:9月13日(土)・14日(日)午前10時~午後8時(14日は午後6時30分まで)
◆意外と知らない!?技大の強み
○THE 日本大学ランキング2025甲信越地区 第1位
『高い国際性で世界に通用する力を育成』
教育力の高さを国内外に伝える「THE日本大学ランキング2025」で技大は全国29位、甲信越地区1位に。特に高く評価されたのが「国際性」です。
学生の9人に1人が外国人留学生。また、日本人の学生が海外にチャレンジする機会として、1年生からの留学プログラムを設け、留学費用の支援制度も整えています。多様な価値観や文化に触れ、世界を知るチャンスがあふれています。
[一口メモ]
250人以上いる外国人留学生の強い味方「むつみ会」
昭和63年に63人の技大の外国人留学生を支援するため発足した市民ボランティア団体「むつみ会」。現在も、日本の文化体験会や日本語スピーチコンテストの開催、生活相談会など慣れない土地で生活をする外国人留学生とその家族をサポートしています。
○実務訓練受入機関 国内230機関 国外33機関
『在学中に社会で実践力を養える』
学生の約8割が大学院に進学す国外33機関る技大では、4年生の時に長期インターンシップ「実務訓練」を実施。約4~5カ月間、企業などに派遣され、実習生として実務を体験します。国内のみならず、海外の企業などでも毎年約50人が実習をしています。
自動車に関わる研究をしており、実務訓練は日本精機(株)で行いました。
印象に残っていることは、大学ではなかなかできない部品の分解をしたこと。見た目や説明書だけでは分からない構造や原理を実際に確認でき、より深い理解につながりました。長期間の実習によって現場の実務や求められる人材像を肌で感じることができました。この経験が、自動車業界に就職を目指す励みになっています。
-工学専攻機械工学分野 修士1年 吉井陸さん
○就職率98.7%(令和6年度卒業生実績)
『全国でもトップレベルの就職率!充実したキャリア支援』
学生が希望の道へ進めるよう、きめ細かく就職活動をサポートします。
例えば…
・就職ガイダンス
・模擬面接などの体験型セミナー
・専攻ごとに就職担当教員や就職窓口を配置
・外部相談員との個別相談会
・学生と企業の相互理解などを深める合同企業研究会
・WEB面接などに対応できる環境の整備など
“起業した卒業生も”
大学で生まれた技術を世の中に届けたいと思い、大学発ベンチャー企業として2021年に起業しました。寺泊水族博物館で実証実験を行いながら、従来よりも小型で安全性の高い風力発電機の開発などに取り組んでいます。
自分たちの持つ技術によって社会に喜びや価値を提供できるよう活動しています。地元企業と連携して新産業を創出するなど、長岡の産業界も盛り上げていきたいですね。
また、学生時代に長岡の企業の奨学金制度を利用し、支援していただきました。教育への投資という米百俵の精神を引き継ぎ、今度は自分が学生たちを支えるようなことをしていきたいです。
-(株)パンタレイ代表取締役 佐藤靖徳さん
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問合せ:長岡技術科学大学
【電話】46・6000
担当:
政策企画課【電話】39・2204
産業イノベーション課【電話】39・2402