- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県長岡市
- 広報紙名 : 長岡市政だより 令和7年10月号
長岡出身で縄文研究の第一人者として知られる考古学者・小林達雄さんが8月22日、逝去されました。87歳でした。
◆縄文文化への情熱 海外も注目
小林さんは長岡高校を卒業後、國學院大學で考古学を専攻。東京都や文化庁の技官を経て母校の教授に着任しました。
縄文時代の文化・精神を長年研究し、海外に向け精力的に情報発信。令和5年には米国最古の学術組織「アメリカ芸術科学アカデミー」の国際名誉会員に選ばれました。
◆市史編集に尽力 土器の魅力発信も
市の歴史研究や情報発信にも貢献した小林さん。昭和61年から10年にわたり市史編集に携わったほか、平成23年には長岡の火焔型土器の展示を英国・大英博物館に提案。翌年に実現させ、記念講演を行いました。
馬高縄文館のゲートサインを監修するなど、豊富な切り口から長岡の縄文文化を広く発信した小林さんに、心より哀悼の意を表します。
問合せ:科学博物館
【電話】32・0546
●小林達雄さんと長岡市の主な関わり
○昭和26(1951)年
南中学校に在学中、当時悠久山にあった科学博物館に足しげく通い、古代に思いをはせる。
○昭和47(1972)年
文化庁の文化財調査官として馬高・三十稲場遺跡の調査に関わる。遺跡は昭和54年に国の史跡に指定される。
○昭和61(1986)年
長岡市史編集委員会編集委員に就任。原始・古代史部会長を務めるなど10年間携わる。
○平成21(2009)年
構想段階から関わった馬高縄文館が開館。同年から名誉館長を務める。
○平成24(2012)年
長岡出土の火焔型土器2点を大英博物館で特別展示。4カ月間で11万人が来場する。
○平成28(2016)年
[4月]顧問を務める信濃川火焔街道連携協議会が提案した「『なんだ、コレは!』信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」が日本遺産に認定。
[7月]全国75市町村や文化人でつくる縄文文化発信サポーターズの会長に就任。東京五輪に向けて縄文文化を世界に発信する。
[10月]大英博物館から市に展示要請があり、火焔型土器など4点を同館で常設展示する。
○令和4(2022)年
考古学の文献などの資料約10万点を市に寄贈。
●10/7(火)~12/27(土)追悼展示を行います
小林さんの生前の功績を紹介するパネルや、市に寄贈された資料の一部を展示します。
時間:午前9時~午後5時(入場は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝休日の場合は翌日)
料金:大学生以上200円、高校生以下無料
場所・問合せ:馬高縄文館
【電話】46・0601