くらし 市長随想

■沈丁花(ジンチョウゲ)、そしてタンポポ、桜花
市長 櫻井雅浩

沈丁花が咲き始め、その気品ある香りを楽しませてくれている。結構弱い木であり、少しの雪ですぐに折れる。結構強い木であり、折れたところをガムテープで留めてあげると再生する。ガムテープというところが私である。
40年前、東京都杉並区荻窪に住んでいた。高級住宅街の一角、風呂なしアパート、銭湯暮らしだった。都会の沈丁花は1カ月ほど早い。駅まで歩く20分は早春の到来、香りを楽しむ時間だった。
花言葉は「永遠」「不滅」「栄光」だが、実は樹液などに毒があり、少し要注意。何となく分かる感じもする。もちろん私は花言葉を信じるようなタイプではない。
柏崎の春は大崎の雪割草、高内山のカタクリ、伊毛の大ヤブ椿、西山花三姉妹から始まり、谷根のハナモモと続くのだが、最も身近な野の花となればタンポポということになるのではなかろうか。
誰もが知る、そして、どこにでも咲く強い花である。大好きである。今年の冬、積雪3mを超えた鵜川、高柳の道端、日だまりにもこれから明るい花を咲かせるだろう。
ギザギザの葉がライオンの歯(フランス語Dent de lion)に似ていることからダンデライオンとも呼ばれる。松任谷由実さんの歌で耳にした人も多いかもしれない。葉が歯に似ていて、少しややこしい。花言葉「真心の愛」は、花をまっすぐ太陽に向け咲く一途さを表現しているという。
そして、日本において春の花といえば、もちろん、桜。花言葉「spiritual beauty(精神の美)」と「a good education(優れた教育)」は、アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンが大切な桜の木を切ってしまったことを正直に話した、という例の逸話から来る。うん、やはり、私(櫻井)にぴったりだ、と調子に乗ったが、私は山桜であった。さて、花言葉などあるのだろうか。