健康 健康講座(239)

■あなたのくすりいくつ飲んでいますか?
県立坂町病院 薬剤部 石田正暁
あなたのくすりいくつ飲んでいますか?
高齢になると、薬の数が増えて副作用が起こりやすくなるので注意が必要です。

このような表紙のパンフレットを見たことはありませんか?パンフレットによると、高齢になると複数の病気を持つ人が増え受診する医療機関が複数になり、くすりが増える原因となります。
なお、飲んでいるくすりの数が多いから悪いということはありません。
75歳以上の高齢者の4割は5種類以上のくすりを使っていて、6種類以上になると副作用を起こす人が増えるというデータがあるそうです。
高齢になると、くすりを分解したり体の外に出す肝臓や腎臓の働きが弱くなり体の中にくすりが残りやすくなります。また、くすりの数が増えるとくすり同士がお互いに影響し合うこともあります。そのため、くすりが効きすぎてしまったり、効かなかったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。
○○病院のくすりで副作用が出たので□□病院を受診し新たにくすりをもらった。そのくすりで調子が悪くなったので△△病院を受診し新たにくすりをもらった、などの繰り返しでくすりが増えていき、かえって健康を害することも起こりえます。
副作用だけではなく、くすりの飲み間違いや飲み忘れなどにより正しくくすりを飲めなくなることなどから体への悪い影響が引き起こされることもあります。
くすりを飲んでいて、ふらつきやめまい、食欲低下、眠気、おしっこが出にくい、便秘などの症状が出たことはありませんか?くすりが多すぎて飲み忘れたりしていませんか?くすりが追加されたり変わったりしたあとは特に注意しましょう。しかし、気になる症状があっても、勝手にくすりをやめたり減らしたりすることはよくありません。必ず医師や薬剤師に相談してください。
そのためには
・かかりつけ医、かかりつけ薬局(薬剤師)をもち、飲んでいるくすりの情報を把握してもらっておきましょう。
・お薬手帳は1冊にまとめておきましょう。
・くすりはお薬カレンダーやお薬ケースなどを活用して指示通りに飲みましょう。
・新しいくすりが追加されたり変わったりした時は体調に変化がないか注意しましょう。
・変化があったときは、いつ頃からどのような症状や気になる症状についてメモしておき、かかりつけ医やかかりつけ薬局(薬剤師)に相談しましょう。
・市販薬やサプリメントも影響することがありますので、かかりつけ医やかかりつけ薬局(薬剤師)へあらかじめ伝えておきましょう。

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