子育て 加賀市保育ビジョン、2年目がはじまります!(2)

■保育ビジョン-1年目の歩みについて-
令和6年4月に公表した保育ビジョン、公立保育園では加陽、動橋、スワトン、橋立の4園のリーディング園を中心に実践を進めてきました。
また、市内保育関係者全体でも研修の場を設けるなど、学びを深めてきました。
今回は、広報かが令和7年2月号でご紹介した加賀市・アプローチを創っていくためのプロセスについて、取り組みの様子をご紹介します。

◆「ボーダークロッシングス」展
今、保育現場で大切にしている視点や感性を多くの人に触れて、感じていただく機会として、3月1日から9日までの9日間、山代スマートパークで開催し、延べ1,100人を超える人にご来場いただきました。
期間中には「また、今日も来ました!」と目を輝かせて、毎日のように来場し楽しまれる姿や、「うちの子ってこんな事できるんだ」と子どもの持つ力にあらためて気付かれたと同時に、その子どもの姿から「大人にとっても新しい気づきがあり、発見の連続だった」との声が聞かれるなどさまざまな場面に出会うことができました。
展示スペースのお隣には、hananoyaさんがあり、季節のお花に包まれながら、居心地のよい空間でカフェを楽しむ姿も見られました。
今後も市民の皆さまと一緒に子どもたちの学びについて、楽しみながら対話できるような場を作っていきたいと思います。

◆加賀市の保育のみらい2024-2025~加賀の自然とこどもたち~
令和6年度の保育実践の実りを広く市民に届けること、園が今まで以上に地域に開いていくきっかけになることを目的に、シンポジウムを開催しました。
実践報告の中では、1歳児から5歳児までの事例が紹介され、加賀市ならではの自然や気候、歴史や文化を活かし、保育園だけではなく、地域全体を学びのフィールドとした取り組みが報告されました。
「これまでも、すぐそばに加賀市の自然は存在していましたが、子どもの発見や疑問、そこから紡がれる言葉に一緒に向き合うことで、大人のわたしたちが再びそこに出会い直した感覚がある」という発表者の言葉からは、子どもの視点で地域を捉え直すからこそ、新たに生まれる魅力や文化があることに気付く場となりました。
そんな子どもの発見や問いに対して真摯に向き合い続ける大切さが語られた実践報告となりました。

▽保育者がセットアップした体験型のアトリエ空間
会場内では、リーディング園が中心となり、日々の子どもたちとの探究活動のプロセスを体験できる「アトリエ」を再現しました。ここでは、植物や土粘土などの身近な素材からマイクロスコープなどのデジタルツールを活用し、日々、保育園での子どもたちの学びの環境を体験できる場となりました。

◆こどものこえ展inかが 「学びの未来」を、0歳から。
子どもが描く作品には、言語だけではない、子どもの素晴らしさや発想のおもしろさが詰まっています。それを多くの人に届けたいと願い、子どもたちの作品やポスターを市内の商業施設や観光施設などに展示しました。
展示会場では、ポスターを1つ1つ、目を細めながら眺め、子どもたちの感情の動きに心を寄せられた市民とも出会うことができました。皆さまは、市内でいくつの「こえ」に出会い、どのように感じましたか?
掲載ご協力先:
・山代温泉通り商店街振興組合
・山代温泉総湯
・山中座
・イオン加賀の里
・アビオシティ加賀
・加賀温泉駅
・中央図書館

■こどものこえ-学びのエピソード-
日常の中で「根っこ」の存在を意識的に捉え、話してくれる子どもたち。目に見える木には、目に見えない根っこがどのように繋がっているか考えてみようと、園舎前の大きな木を描いてみました。
・木を見つめる
木ってどんなカタチがある?枝や葉っぱは?木の模様やフォルム、バランスを含めて子どもたちはよく見ていきます。
・友だちと対話
・木と対話
・自分との対話
木を様々な方向から見て木と対話する。お友だちの描く姿、言葉、描いたものに興味を持って友だち、そして自分とも対話する。それぞれの絵にもつながりが生まれていました。
・木を描く
たっぷりと時間をかけてていねいに幹の模様をみて描いていました。葉っぱも一枚一枚違っていることに気づき特徴を捉えています。

目に見える「木」をよく見て描いたことで、目に見えない「木の下の世界」もよく想像するようになりました。木の下を描く活動では、どの子も迷いなく伸びやかに木の下を表現していた姿からは“目に見えているのはほんの一部だよ”と子どもたちから教わるような気持ちでした。目に見えないもの、見えにくいものの大切さや面白さを私たち大人に話してくれているかのようです。
この春、園にやってきたみかんの木を通して、子どもたちはどんな世界を広げ、その面白さを私たち大人に伝えてくれるのでしょうか。