文化 九谷焼イッピン!ここが見どころ!

鑑賞ポイント「~絵画力の魅力~主題に着目!」 能美市指定有形文化財(工芸品)より

■斎田道開(さいだどうかい)「赤絵細書見込竜鳳凰周囲百老図深鉢(あかえさいしょみこみりゅうほうおうしゅういひゃくろうずふかばち)」

斎田道開(さいだどうかい)(桶屋伊三郎(おけやいさぶろう))の作と伝わる鉢です。鉢の中央見込みには竜と鳳凰が描かれています。タッチは粗野(そや)に見えますが、狩野派(かのうは)のような定型化した日本画というより随分とデザイン化、意匠化された竜と鳳凰画に見えます。おそらく絵手本などの粉本(ふんぽん)主義と決別し、オリジナルに挑んだものと解します。
一方で、周縁の人物群像画は、当時流行した文人趣味に沿った唐の国の教養ある文人たちの様子を、軽快な運筆の赤絵細描で見事に描いています。この唐人物画は師である京焼の名工水越与三兵衛(みずこしよそべえ)の影響を受けたものと思われます。(文・館長中矢)

斎田道開 赤絵細書見込竜鳳凰周囲百老図深鉢
サイズ:口径23.0/高10.0cm
作者:斎田道開
生没年:寛政8(1796)~明治元(1868)年
指定日:昭和51(1976)年7月8日
所蔵:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|

■INFO
○「第63回日本現代工芸美術展 石川展能美巡回展」
会場:|五彩館|紫の間・緑の間・ロビーギャラリー
期間:6月4日(水)~7月13日(日)
ギャラリートーク:6月21日(土)13時30分~
(講師山岸大成氏)

○新指定文化財(二代末川泉山作品2件)常設展示室で展示中(|五彩館|)

○6月3日(火)は展示替えのため臨時休館(|五彩館|)
※|浅蔵五十吉記念館||体験館||職人工房|は通常営業
※|五彩館|臨時休館中、|浅蔵五十吉記念館|の入館料は団体料金となります

情報発信元:KAM能美市九谷焼美術館|五彩館|
入館料:一般430円・75歳以上320円・高校生以下無料
※浅蔵五十吉記念館もあわせて入館できます。

問い合わせ:【電話】58-6100【FAX】58-6086 ※月曜休館