- 発行日 :
- 自治体名 : 福井県あわら市
- 広報紙名 : 広報あわら 第260号(2025年10月)
私たちの活動を知ってください 北潟湖自然再生協議会の取り組み
~北潟湖の恵みを再発見し、未来に遺(のこ)そう~
北潟湖自然再生協議会では、北潟湖やその周辺の自然環境の保全・再生に取り組んでいます。
今回は、希少な水生昆虫を守るため、ため池で実施している特定外来生物「ウシガエル」の駆除についてご紹介します。
■特定外来生物とは?
外来生物のうち、生態系や人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼすものの中から、国が「特定外来生物」として指定しています。
特定外来生物は、飼育・栽培・保管・運搬・輸入・販売・譲渡・野外への放出などが原則として禁止されています。
■ウシガエルとは?
ウシガエルは、ため池や湖沼、河川などに生息し、体長は18cm程度に成長します。体色は暗褐色から緑色で、黒色や緑色、灰色の模様があります。「ブモォー、ブモォー」と牛のような声で鳴くのが特徴です。
原産地はアメリカ東部・中部およびカナダ南東部で、日本には1918年に食用として導入され、各地で養殖されていましたが、その一部が逃げ出して野生化し、繁殖しています。
■ウシガエルによる被害
ウシガエルは繁殖力が非常に強く、さまざまな小動物を捕食するため、河川や湖沼など水辺の生態系に大きな影響を及ぼします。
・在来の希少な水生昆虫が捕食される
・トノサマガエルやアカガエルなど、在来のカエル類と餌資源をめぐる競争が起きるなど
■駆除の効果
ウシガエルの駆除を始める前と比べると、観察されるトンボやゲンゴロウの数は増えており、一定の効果があると考えられます。一方で、駆除を行っていない他の水域からウシガエルが侵入するため、希少な水生昆虫を守るためには、今後も継続した駆除が必要です。
※ウシガエルやアメリカザリガニ以外の生物が捕獲された場合は、リリースしています。
原稿:水と生きもの再生部会所属福井県自然保護センター 大宮正太郎(おおみやしょうたろう)
問合せ:北潟湖自然再生協議会事務局(生活環境課内)
【電話】73-8018
